過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/10(日) 03:09:55.39 ID:hMoZjPKRo

精密検査をするから、と美琴たちは病室を追い出され、ロビーへと向かった。
彼女たちの表情から何事かと顔をこわばらせる神裂らに、彼女たちは何も答えることができなかった。

少女たちの目に焼き付いているのは、不安と怯えに支配された上条の表情。
それは今までに彼女たちが一度も見たことのない顔で、少女たちの心を強く掻き毟るものだった。
話を聞いた妹たち、心配で駆けつけた五和たちと共に、ただ担当医を待っていた。

それから数時間して、担当医がインデックスを自身の診察室へと呼びだした。
他の人間たちも彼女に従い診察室へと向かう。
そこで、医者の重い口から伝えられたことは。

「……どうやら、彼は記憶を喪失しているようです。混乱ではなく、喪失。
 家族や友人のことも、自分自身のことすらも、何もかも」

それは、余りにも残酷な現実。
人格が記憶と経験に裏打ちされたものである以上、それらを喪うということが意味するものは明白であり。

誰かが生き、誰かが愛する『世界』を救った少年は、それと引き換えに『自分』を失ってしまったのだ。



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