過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/10(日) 03:10:59.19 ID:hMoZjPKRo

「ここからのお話は、本来であればご家族にのみお話すべき事柄ではありますが、日本からロシアまでは現在渡航不可という状況でして。
 ただ、皆さんも心配でしょうし、同居人であるインデックスさん。あなたに判断していただきたいと思います」

話を振られたインデックスがびくりと肩を震わせる。
その目尻は赤い。
周囲を見回すが、周りはみんな、上条のために心を痛めている人間ばかりなのだ。

「……みんなにも聞いてもらった方がいいと思うんだよ。みんな、とうまのことが心配なんだから」

「分かりました」

担当医は手元の端末を操作する。

「彼が記憶喪失であるということを受け、学園都市からカルテを取り寄せたうえで再度、精密検査を行いました。
 ……驚きました。入院回数やその怪我の程度が、普通の人の比ではない。
 医者として言わせていただくと、ベッドにくくりつけてでもしばらくは安静にしてもらいたい、というのが正直なところです」

直近の3カ月だけでその回数は優に10回を越え、命を脅かすような怪我だって幾度もしている。
常人であれば一生に一度あるかないかの重傷を、彼は数多く負っている。

「特に酷い怪我を負ったのが、7月28日、8月8日、8月21日、そして一月ほど前の第二十二学区で能力者同士の争いに巻き込まれた時ですね。
 一番最後の時は数百メートルも吹き飛ばされて水面に叩き込まれたそうですが、これで数日後には普通に歩けていたのが不思議なくらいです」

羅列された日付に、誰もが顔を強張らせた。
ここにいるほとんど全員がどれかの日付に関係している。
つまり、上条にそれほどの重傷を負わせた代わりに、彼らは今ここに生きて存在する。

「この中で特筆すべきなのが、やはり7月28日でしょうね。
 恐らくはこの日に受けた損傷が、今回の記憶喪失の遠因ではないでしょうか」


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