過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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246:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/10(日) 03:16:54.77 ID:hMoZjPKRo

同時刻。
研究機関の最寄りの街にある安ホテルの一室に、インデックス、神裂、ステイルはいた。
その理由は彼らの上司であるイギリス清教最大主教ローラ=スチュアートに、上条の件について報告するためだ。
学園都市の機関内で堂々と通信用魔術を発動させるのはいささか問題がある。

『──それで、幻想殺しの少年が記憶喪失になってしまいたりけると言うのね』

部屋に据え置かれた小さなテレビには身長よりも長い金髪の女性が映っている。
もちろんテレビ放送の映像ではなく、その上に置かれたデジタルカメラを擬した霊装が受信した映像である。
こちらに映像を映し出すと同時に、向こうにも映像を送っているのだ。
彼女は画面には目もくれず、ひたすらに書類と格闘している。

『事態は把握したるの。それで、お前たちはいつ帰ってきやるの?』

「……少なくとも彼が学園都市に帰るまでは、と思っているのですが」

『イギリス清教としては、いつまでも幻想殺し一人に人手を割いてる余裕はないのだけれども。
 戦争が終わって10日。
 たったこれだけの期間でイギリスだけでも魔術・非魔術問わず何件の事件が起きてると思うて?
 神裂に、ステイル、天草式。お前たちがいないだけで、どれだけ大変なことか』

ため息をつき、おかげで私まで書類地獄に陥りたるというのに、と嘯くローラに対し、三人の視線は厳しい。
彼女は上条の状況に何も思ってはいないのだろうか?

『言っておくけれども、私とて何も感じてはいないというわけではあらじなのよ』

彼らの心中を透かし見るかのようにローラが言う。

『だけれども、何も幻想殺しの少年だけが酷いけがをしたというわけでもなし。
 騎士派や必要悪の教会のメンバーの中にも、死者や重傷者は山ほどありけるというのに』

「ですが、彼は右方のフィアンマを撃破したという功績が──」

『修道女たるもの、功の大小、罪の多寡に関わらず平等に接するものではなくて?
 神裂、お前は少し落ち着いたほうがいいと思いけるのよ」



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