過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/10(日) 03:18:01.57 ID:hMoZjPKRo

「しかし!」

語気を荒げる神裂に、初めてローラは顔を上げる。

『くどい、と言っているの。
 上条当麻より状態の酷い人間はいくらだっておりけるのよ。
 まさか、女教皇ともあろう人間が彼らより上条当麻一人のほうが大事だというの?』

「それは……っ」

そんなことは断じてない。だが、それでも上条に対して何か報いたいという気持ちがある。

『上条当麻は学園都市の学生たるの。学園都市の人間が彼らのやり方を持ってかの少年を癒したるでしょう。
 どうせかの右腕がある限り回復魔術も何も無効なのだから、モチはモチ屋に任せるのが一番なりけるの。
 それとも、彼の右腕を切り落として回復魔術を施すとでも言いたきなのかしら?』

そう言われてしまえば、何も言い返すことができない。
苦虫をかみつぶしたような顔で黙りこんだ神裂を差し置いて、ステイルが前へと進み出る。

「では、僕たちはすぐにでもイギリスへと帰りましょう。
 ……ただ、インデックスはこのまま上条当麻と共に学園都市へと戻らせたいと思います」

「……すている」

彼にはインデックスに対して、幾度となく記憶を消してきたという過去がある。
『記憶を失った人間がどれだけ心細いか』を何度も目の当たりにしてきたのだ。
その不安感を少しでも和らげるためには、周囲の人間が適切なケアをしてやることが大切だ。
ステイルにとって上条自身は路傍の石の次にどうでもいい存在だが、それでもインデックスにとって彼が大切な人間であることは認めている。
だが。


     『その必要はなきにつきよ。禁書目録も連れてイギリスへと帰還しなさい』


「……え?」

「何故です! インデックスの保護者は上条当麻のはずでしょう!?」

『簡単なことよ。
 幻想殺しの少年は禁書目録の"管理者"たり得なくなった。だから禁書目録はイギリス清教が回収する。これだけのこと。
 もともと上条当麻はイギリス清教から委託を受けて禁書目録を"管理"していただけ。
 "貸与"していたものを元の持ち主が返還を求めることに、何か不都合がありけるの?』



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