過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/13(水) 01:59:35.69 ID:9KzOTW+Oo

「だったら、私も安心かも」

「どういう意味よ」

「とうまは、今とっても心細いと思うんだよ。
 みんなとうまのことを知っているのに、とうまはみんなのことを分からないんだもの。
 これからとうややしいなとか、こもえとか、お友達とかいろんな人と会うことになるのに」

「学園都市に帰ったら、必然的にそうなるわよね」

「とうまに会ったら、みんなきっと困惑して、戸惑って、最後には寂しそうに笑うんじゃないかな。
 『気にするな』とか『ゆっくり思い出していけばいい』とか言いながら、ね。
 ……だけど、言われるほうは申し訳なくて、悲しくて、心が痛むと思うんだよ」

神裂から、インデックスは今までに何度も記憶を喪ったことを聞かされている。
事情についてはひとまず置いておいて、その事実は彼女の言葉に説得力を与えた。

「だから、そんな時に、とうまの事を大事に思ってくれる人がそばにいて、支えになってくれればいいなぁ、って。
 ……私は、もうとうまのそばにはいてあげられないから」

そう言って、寂しそうに笑う。
その手はぎゅうっと紅茶の缶を握りしめた。

きっとそれは、彼女自身が何よりも上条にしてあげたいこと。
しかし、情勢がそれを許さない。
だから、彼女はその役目を託すに値する人間を探していたのだ。

「そんな大事な役目、私なんかでいいの?」

「短髪は嫌なの?」

「べべべ別に嫌じゃないって言うか、その……」

「ならいいでしょ?」

「いいのかな……?」

うまくノせられたような気がする。



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