過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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333:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:22:30.35 ID:6dTTluKVo

「ところでさ、可愛いもの好きのお姉様がちびっこときゃっきゃうふふするのは良いんだけどさ。
 ……ミサカはお姉様に会ってもいいのかな」

「……何を気にしてンだよ」

「だって、ミサカは『第三次製造計画』のミサカだよ?
 他のミサカとは違う。お姉さまはあなたの実験に投入されるために造られたミサカしかいないと思ってる。
 ミサカの存在は、お姉様を傷つけないかな?」

番外個体は心配そうに顔を歪ませる。
この悪意に彩られた少女も、ごく一部の人間に対しては素直なところを持つ。
彼女の悪意が『表層・深層に関係なくミサカネットワーク上の負の感情を拾う』性質に由来しているためだ。
つまり、姉妹が悪感情を抱いていない人間に対しては、案外普通に応答することができる。
逆に姉妹が好感を持っている相手に対しては、わずかではあるが番外個体とてその影響を受ける。

「『絶対能力者進化計画と並行して細々と続けられていた、妹達の改良計画の試作版。
  俺の計画の破綻からしばらくして立ち行かなくなり計画は頓挫、お前はその時に放り出された。
  作られたのはお前だけで、計画は完全に凍結・破棄済み』」

「何それ」

「お前の『設定』だよ。少なくとも『第三次製造計画』よりはオリジナルへの衝撃は少ねェと思うが」

「……あなたにもそういう気遣いが出来るんだね」

「互いの目的の為に手ェ掴みあったモン同士だ。勝手に潰れられると困ンだよ」

「……ひっひ。そういうとこ、"嫌い"じゃないよ」

番外個体は自分のベッドにぱたりと倒れ込み、静かに目を閉じて言った。

「まあミサカとしてもミサカの目的の為にあなたがいなくなると困るわけだし、癪だけどあなたに便宜を図ってあげる。
 お姉様に出会ったらそれとなくスケジュールを聞いてあなたに連絡する。それでいい?」

「あァ、頼む」

「次はショートケーキがいいなぁ。大きなイチゴが乗ったやつ」

「買ってこいってかァ?」

「買ってきてくれないの?」

ニヤニヤと笑う番外個体の顔を見て、一方通行は再び大きなため息をつく。
全く、この姉妹にはかなわない。



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