過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
1- 20
449:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:47:10.86 ID:gloHf2zso

脱衣所の鍵を閉め、着信履歴からリダイヤルする。
もちろん、携帯電話は出来る限り耳から離して、だ。

『短髪、なんなのもう面倒なことを! こっちは一刻も早く聞きたいことがあるのに』
以下略



450:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:47:48.27 ID:gloHf2zso

『とうまの「けいたいでんわー」に、何度電話しても繋がらないんだよ!』

「そりゃそーよ。あいつまだ入院してるもの。
 病院の中じゃ携帯電話使えるところ限られてるし、あいつがそこにいて電源入れてなきゃ繋がらないって。
以下略



451:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:48:14.56 ID:gloHf2zso

髪の毛をくるくるといじりながら、美琴は考える。
電話をしてやりなさいと言った手前、ここで突き放す前にもいくまい。
上条の退院が未定な以上、退院して携帯電話が治るまで待て、とも言えない。
ならば、自分が面倒を見てやるか。
以下略



452:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:48:48.24 ID:gloHf2zso

11月20日。

美琴は大きなバイオリンケースを背負いながら、病院へ向けて歩いていた。
音楽の授業で使ったものだ。
以下略



453:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:50:12.56 ID:gloHf2zso

「お姉様は何をしているのですか?」

「あいつのお見舞いに行くところ。インデックスに『あいつと電話したい』って言われてさ。
 ほら、あいつの携帯修理に出してるじゃない。
以下略



454:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:50:52.52 ID:gloHf2zso

「そう言えば、お姉様はずいぶんと大荷物ですね、とミサカはお姉様を頭からつま先まで眺めてみます」

「そうなのよ。鞄にお見舞いのクッキー、その上バイオリンまで……。やっぱり寮においてくれば良かったなぁ」

以下略



455:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:51:20.44 ID:gloHf2zso

「なるほどねぇ……」

興味はやがて好みとなり、それが妹たちの個性を育んで行く。
『一つの意志』に影響を受けながらも、個々としては自立する。
以下略



456:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:52:25.35 ID:gloHf2zso

そうこうしてる間に、上条の病室へとたどり着く。

「おーっす」

以下略



457:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:53:22.22 ID:gloHf2zso

冥土帰しの病院に存在するいくつかの病棟のうちの背の低い建物の屋上には、入院患者たちが心を休めるための庭園がある。
中央に配置された大きなビオトープを中心に花壇や遊歩道が設置され、大きな木々の下にはベンチが置かれている。
消毒液の匂いがする院内に日がな閉じこもるよりは、陽光を浴び、風の匂いに心を委ねる方が治りも早いのだろう。
午後四時。日が陰ってきた中庭に、人の姿はほとんどない。
以下略



458:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 01:54:55.51 ID:gloHf2zso

「あの方が電話をかけている間、お姉様は何をしているつもりですか、とミサカは訊ねます」

「そうねぇ、どうしようかしら」

以下略



1002Res/817.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice