過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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468:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/04/27(水) 02:05:29.06 ID:gloHf2zso

クローンを作るためには、大量の空間や資材、水や電力などが必要となる。
ならばそのモノの流れや誤魔化しようのない空間そのものを突き止めればいいのだが、そこは学園都市の闇が相手だ。
隠蔽や情報操作などお手の物。未だ一方通行は情報の糸口すらつかめずにいる。

(やっぱり、単独で動くには限界がある、か)

彼が学園都市最強の超能力者であると言っても、出来ることには限界がある。
『心理掌握』のように人の心を読めるわけではないし、『超電磁砲』のように機械を自在に操れるわけでもない。

思い浮かべたのは、かつての"同僚"たちの顔。即座にかぶりを振って打ち消す。
準備もできていないうちから学園都市に表だって逆らうというデメリットの前に、彼らが動くとは思わないし、巻き込もうとも思わない。

(今の俺の勝利条件と、アイツらの勝利条件には明確な違いがある)

第三次製造計画は統括理事会肝いりのプロジェクトだ。
実際に番外個体を送りこんできたという実績がある以上、親船最中ですら信用はできない。
甘っちょろいことを吐く彼女の目の届かないところで決定されたという可能性もあるが、そうである確証はどこにもない。

暗部組織間抗争を欠員も出さずに生き延びたのは『グループ』のみだ。
故に、彼がこのまま暗躍し続けたとすれば、いずれ『グループ』が動員される可能性は高い。

土御門元春。
海原光貴。
結標淡希。

エイワスに倒されたのち、彼らはどうなったのか。

(……どォせアイツらとは協力し合うだけの関係だったンだ。自分のケツくらい自分で拭けンだろ。
 そもそも今の俺には、アレもコレも抱え込むだけの余裕はねェ)

物事に優先順位を定め、最優先事項から消化していかなければならない。
その過程で彼らが立ちふさがるならば、容赦なく踏み潰す。
それだけだ。


「……ン?」

ふと足元に目をやった彼が拾い上げたのは、一枚のデータチップ。
周囲ほど埃のかぶっていないそれは、割れた窓から差し込む月光を受けて鈍く輝いた。



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