過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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527:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/04(水) 02:49:53.30 ID:bFibk2Mzo

ここで回廊は途切れている。
行き止まりなのではなく、天井も壁も床も引き裂かれたかのように崩れて壊れ、少し離れた向こうに回廊の続きが見える。
壊れたところから見えるのは闇の中に無数の光が浮かぶ、星空のような空間だ。
この星空の中に回廊は存在し、それが何らかの原因で真っ二つになっている。
つまりはこの断絶こそが記憶の連続性を害し、障害を引き起こした原因なのだろう。

向こう側の荒廃した回廊に飾ってあるスクリーンはどれもひび割れたりノイズ状態になっていて、無事な状態のものはここからでは見えない。
だが、いくつかのスクリーンはかろうじて何が映っているかくらいは分かる。
爬虫類のような腕を生やした男、こちらに手を差し伸べる少女、逆さまに浮かぶ修道女、そして天使を模した人形のようなもの。
記憶を失う前に上条が見た、最期の記憶だろうか。

あちら側にわたる事が出来れば、上条の記憶を引きずり出すことができるかもしれない。
そう考えた心理掌握は、どうにかして渡ろうと手段を模索する。

ここはあくまでイメージの世界だ。
異なるイメージを与えれば、世界は相応に変化する。
だが、どう変化するかまでは予測できない。
むやみやたらな事をすれば、それは上条に影響を及ぼすかもしれない。

考えた末、下手な小細工はせずに跳んでみることにする。
重力なんてあってないようなもの。跳躍力だって思いのまま。
気分のままに助走をつけ、ぴょんっと飛び出す。
物理法則に縛られないその体は、何秒と経たずにその対岸へとたどり着くはずだった。



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