過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/10(木) 23:40:21.52 ID:PFiwFxcvo
どのくらい経っただろうか。
美琴は、自分の前に誰かが立っていることに気付いた。
正確には、『立っている誰かの気配を感じ取った』とするべきか。
こんな時でも、電磁波レーダーは健在なのだ。

美琴は顔を上げ、目の前に立っている女性を見た。
白いシャツの上に右肩の裾がないジャケットを羽織り、ジーンズも左足部分が根元から切断されている奇妙ないでたち。
天草式の聖人、神裂火織がそこにいた。

「あなたが、上条当麻を探しているという少女でしょうか」

「……あんたは……?」

「イギリス清教第零聖堂区所属、『必要悪の教会』の神裂火織と申します。
 ですが、今はあえてこう名乗りましょう」

凛とした雰囲気を、女性が放つ。

「『Salvere000(救われぬ者に救いの手を)』、と」

「…………」

美琴は魔法名のことなど知らない。
神裂の名乗った魔法名は、彼女にとっては何かのコードネームのようなものにしか聞こえなかった。
しかし、心を疲弊させた彼女に、『救い』を意味するその単語は何故か沁み渡る。

まるで『聖女』のような神裂が差し出す、暖かい手。

気付けば、美琴はその手を自身の震える右手で掴んでいた。


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