過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/10(木) 23:38:09.51 ID:PFiwFxcvo
彼女は再び能力を使い、上条の携帯を操った。
送られてきた座標は、一度目と同じ場所。

彼女は三度能力を使い、上条の携帯を操った。
送られてきた座標は、二度目と同じ場所。

彼女は何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も能力を使う。
そのたびに送られてくる座標は、どれも寸分の狂いもなく同じ場所を示していて。

その回数が両手の指では数えられなくなったころ、画面に一粒の滴が落ちた。
それに続くように、二粒目、三粒目というように次々と水滴が携帯電話のモニタを濡らしていく。

(……………………雨、じゃない)

自分の頬を触ると、確かに濡れている。
この時初めて、彼女は自分が涙を流していることに気付いた。

せめてあの少年を、学園都市へと帰してやりたいと思う。
しかし、水深200mまで潜れぬ身ではそれすらも叶わない。

日も傾き始め、色褪せた公園に気を向ける人間などいない。
つまり、彼女の嘆きを遮る者は誰もいない。
あたりには、美琴の慟哭だけが悲しく響いていた。


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