過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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(千葉県)
[saga]
2011/05/15(日) 03:50:12.24 ID:W8rEPNSco
「…………ははっ」
美琴を突きとばす。
何がおかしかったのか、麦野は片手で目を覆い、横隔膜が引きつったかのような声にならない笑い声をあげる。
しばらく笑ったのち、やがてよろめいたかのようにどさりと手近にあったベンチの端に体を沈め、美琴を見る。
先ほどまでのような傲慢な態度はすっかり消え、どこか弱弱しさを感じさせる表情で。
「……座んな。一つ、面白くもねぇクソ話をしてやるよ、『超電磁砲』」
美琴は恐る恐る、麦野とは反対側のベンチの端に座った。
「昔々、ある女の子がいましたとさ。父親はとある古ーい名家で、母親はその妾。
正妻はいたらしいけど子供が中々生まれなくて、その女の子と妾は堂々とお屋敷の中で不自由なく暮らしてた。
笑えるだろ? 妾は正妻を顎でこき使って、女の子もそれを当然だと思ってたんだ」
どこか遠い目をした麦野は、呆然と物語を語る。
きっとこれは、麦野の半生なのだ。
「……だけど、ある日正妻に子供ができた。それも家の後継ぎになり得る男の子。
途端に力関係は逆転さ。古臭い家で、後継ぎを生んだ正妻の発言権が強くなっちゃったんだね。
で、邪魔になった妾と女の子はお屋敷を追い出された」
美琴は遮る事もせず、黙って聞いていた。
「追い出されるときにいくばくかお金を貰ったんだろうね。妾は女の子を学園都市に入れた。
『いつかきっと迎えに来るからね』なんて言って、小さな可愛い人形を抱かせて。
……良く考えりゃ、邪魔になった娘を『置き去り』にしたってだけなんだろうけど」
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