過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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741:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/05/28(土) 02:29:47.16 ID:2nJkUX9vo

「……それでは、その問題がクリアできない限り、教材の開発は行えないのでは?」

白井が訊ねる。
当然の質問だ。

超能力者の能力は、『自分だけの現実』と、それを表現するための演算式を紡ぐ『演算能力』によって強度が決まる。
『自分だけの現実』がどれだけ強固であろうとも、『演算能力』がどれだけ卓越していても、一方だけでは強い能力は発揮できない。
木山の言った問題が解決されなければ、教材としては使い物にならないのではないか。

「それが、技術の進歩によってその問題が解決できるかもしれないというところまできたんだ。
 君たちは『駆動鎧』を知っているかな?
 その最新モデルの技術が問題の解決の為に転用できそうなんだ」

「駆動鎧が?」

四人の頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。
脳を開発する能力開発と、体の動きを補助する駆動鎧。この二つの技術が結びつくとは考えにくい。

「『マインドサポート』という、まだ一般には未公開の新しい技術があるんだ。
 装着者の脳とリンクして、知識や技術を一時的に外部から引き出せるようにする、といったものかな。
 脳に直接情報を書き込むわけじゃないから危険性はほとんどないし、リンクを切断してしまえばそれまでだ。
 元は操作の複雑な駆動鎧を適切に動かすための技術だが、代わりに高位能力者の演算パターンを入れることで、なんとかなるのではないかと思ってな」

マインドサポートを使って自分だけの現実を高位能力者の演算パターンで補正し、スパコンで演算能力を補う。
そうすることで、低位能力者でも擬似的に強い能力を使うことができる、かもしれない。

「あくまでこれは高レベルの能力者の制御法を擬似的に体験することで、自身の能力の制御法のヒントを得てもらおうと言うものだ。
 能力の向上は使っている間だけだし、盗み出したところで持ち運びできるほどの大きさでもない。
 よこしまな目的の為に作った『幻想御手』だが、その仕組みを子供たちの為に役立てて貰えたらと思ってね」

「木山せんせい! 私でも、それを使ったら能力伸びますか!?」

鼻息荒く詰め寄ったのは佐天だ。
四人の中で、唯一のレベル0。そして『幻想御手』に手を出した少女。
自身の能力へのコンプレックスはいかばかりか。



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