過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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861:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/06/12(日) 01:17:39.32 ID:Sj9M+n8No

「……ねぇ」

『なんだ?』

「演奏が終わったらさ、病室に遊びに行ってもいい?」

『御坂は午後は予定とか何にもねぇの?』

「今日は一日このオープンキャンパスのために空けたのよ。だから演奏が終わり次第フリーなの」

『じゃあ来るついでに一つ頼みを聞いてくれるか?』

「……美琴センセーになんでも言ってみなさい」

『あとでお金は出すので、屋台でテキトーに美味そうなものを買ってきてくれ。もう病院食には飽き飽きだ……』

「………………ぷっ」

美琴には入院した経験はほとんどなく病院食は食べたことがないが、酷く薄味で量が少ないイメージがする。
育ち盛りで退院間近な男子高校生には物足りないかもしれない。

「分かった。適当に買っていってあげる。たこ焼きとか、お好み焼きとかでいい?」

『何でもOKだぜ。じゃあ、楽しみに待ってるからな。演奏、頑張れよ!』

上条が楽しみに待っているのは自分とお土産とどちらだろうなどと思いつつ、美琴は通話が切れた携帯電話を畳む。
その胸には、先ほどまでの身を焦がすような緊張感はもうない。
あるのは、これが終わったら上条の病室に遊びに行くという約束のみ。

上条の言葉には不思議な力がある、と美琴は思う。
彼が味方ならなんだって怖いものはないと思わせてくれるような、力強い言葉。
その前では緊張感などなんのそのだ。


ほどなくして、担任が美琴の番だと告げにやってきた。
「大丈夫?」という問いに、美琴はしっかりとうなずく。



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