過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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970:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/06/22(水) 01:43:49.20 ID:zxuPn9f5o

「それにしても、本当に寒いわね」

袖を引きよせ、手をすり合わせる。
手袋を忘れてしまったのが痛い。

「毛布、一枚だけなら余ってるよ」

回ってきた番外個体が毛布を美琴に渡す。

「嬉しいけど、一枚かぁ。こいつもさっきくしゃみしてたし、もう一枚欲しいなぁ」

「用意したのはそれで最後。あとは自分の病室から持ってきてもらうか、我慢するかしかないよ。
 そもそもお姉様は入院患者じゃないし、最初から勘定に入ってないもの」

「それもそうよね。というわけでこれは入院患者のあんたが使いなさい」

「いや、俺は良いよ。御坂が羽織っとけ」

「そこまでヤワじゃないっつの。あんたこそ、風邪ひいて退院が延びるかもよ?」

「大丈夫だって」

「……ミサカ、一枚の毛布で二人が温まる方法思いついちゃった」

毛布を巡り押し問答する二人に番外個体がいやらしい笑みで割って入り、毛布を取り上げた。

「こうすれば解決じゃん☆」

番外個体は毛布を羽織り、そのまま10777号に背後から抱きつく。
毛布の端を掴んだ腕をもう一人の体の前に回せば、二人で暖を取ることができる。

「なるほど、これは合理的ですね、とミサカ10777号は番外個体に追従します」

「でしょー、ささお姉様、ヒーローさん、ぜひ実演を☆」

「やるかぁ!」

美琴が妹たちに向かって拳を振り上げ怒りをあらわにした途端、背後でぴゅぅーっという空気を切る甲高い音が鳴り、直後火薬が破裂する大きな音がする。

ついに花火が打ち上がったのだ。



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