過去ログ - 上条「み、御坂さ〜ん」美琴「触んないでよ。」
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22: ◆jPpg5.obl6
2011/03/14(月) 21:30:50.53 ID:1KOJvhFAO
美琴はゆっくりと、小さく唇をひらいた。

「……嫌だったの、」

ふっと、顔をあげほんの一瞬、うかがうように上条の目をとらえる。しかし、視線はすぐに外れてしまった。

今にも流れ出そうな涙を零さぬようにして、絞り出した声で美琴が言う。


「っ…て…」

「うん」

小さい子の話をゆっくり丁寧に聞くように、上条は頷きながら見守る。

子ども扱いされるのは嫌だけれど、この優しさはなんだか心地よくて、美琴はこの優しさを素直に受け入れることにした。

今から話そうとする内容も子どもじみているから、今の自分には子ども扱いはぴったりなのかも、とどこかで冷静に考えている自分がいた。

少し間を置いて、美琴は言葉を続ける。

「…‥はなすから…」

間が空いて、バラバラになった言葉を上条は頭の中でつないだ。

聞き取れた言葉は『て』と『はなす』。

「はなす…?『て』って、…手か?」

妙な言葉のリズムで、左手をグーパーしながら美琴に示す。

「なぁ、『手を離すから』ってこと?」

美琴は上条の動きに反応して、顔を上げた。言葉の内容を丁寧に確かめられて、どうしようもない恥ずかしさがこみ上げる。そして、先ほどの悲しげな瞳とは違って、羞恥にたえるような瞳に変わっていた。





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