過去ログ - 初春「花束をあなたに」
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39: ◆le/tHonREI[saga]
2011/03/18(金) 21:25:30.60 ID:FC372KGUo


「その付き添いのガキから多少は聞いている」

(マダ、まだ方法はある)

「言語処理能力を失ってンのか。演算能力もなくなっちまってるンだろ」

(―――頭をひねらせろ。神経を集中しろ。だめなんだ。ここでこの二人に決着をつけさせても、何の解決にもならないんだ)



【初春】


はっ、と我を取り戻して携帯を見る。
垣根は無表情のまま、静かに指示をした。


【もういい、つなげ。開園の時間だ。これ以上の焦らしは観客が萎える】

「でも……、えっと……、わ、私は……」

【―――初春飾利】


まっすぐに一方通行をとらえていた瞳は、ゆっくりとこちらに向けられる。
相手に向けていたものとはどこか違う、優しさと悲しさを含んだ瞳だ。
それから垣根は一瞬だけ初春から見て左下に視線を動かし、これ以上なく申し訳なさそうに笑った。
二人でいるときに時折見せた表情も、これに似たようなもの。
初春は彼のそんなところも、好きだった。


【テメェはまた動いてくれてたんだろ。こんな俺のために。もうわかってるよ。………なんていうか、すまなかったな】


その言葉は今までで一番、初春の心を貫く一言だった。


「どうして謝るんですか……。謝られることなんて……、ま、まだこれからどうなるか……!!」

【ああ、そうだな。この戦いがどうなるかはわからねえ。だけどな、何を言われようが俺はアイツと殺し合うことを止めるつもりはねえ。
 それでも、この安いプライドにテメェを付き合わせちまったのは俺のミスだ。だから、今のうちに謝っておく。二度は言わない】

「……、私は……、」


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