過去ログ - 紬「タックマン?」
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147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/13(水) 04:21:55.48 ID:HulktAtno
日本 桜が丘 琴吹邸前


唯「おーい」

梓「どうしたんですか? こんな時間に呼び出して。しかもムギ先輩の家の前って……」

澪「ムギが、帰ってきたんだ」

唯「ええ!?」

梓「それ、本当ですか!」

唯と梓はただ驚いた表情を浮かべたが、しばらくすると互いに顔を見合わせて笑顔になった。

唯「やったねあずにゃん!」

梓「はい!」

澪(……二人は、強いんだな)

紬のことでいちいち深く悩み、うじうじと足踏みをする律や自分とは違う。
唯と梓は、高校のころから大きくは変わっていないように見えた。
現実に押しつぶされ、笑顔を失ってしまった私たちとは違う。

そうだ。笑顔だ。

澪(私は、律の笑顔が見たいんだ)

だから、こうしてこんな愚かなことをしている。
この町が平和になるまで待つと、紬の考えを尊重すると、約束したはずなのに、いまこうして皆を連れ、ここに立っている。
紬の心を裏切ることになるかもしれない。それを知っていながらも。

澪(だけど)

澪「私だけじゃない。みんな、ムギのことが大好きなんだ」

澪は意を決し、呼び鈴を鳴らした。

斉藤『はい。……秋山様。それに軽音楽部の皆様』

澪「用件はわかっているはずです。ムギに、会わせてください」

斉藤『……平沢様』

唯「へっ、私?」

斉藤『以前、私にお聞きになったことをお答えします』

唯「それって……どうして、こんないじわるするのって……」

斉藤『そうです。その答えが見つかりました。私は、怖がっていたのです』

唯「……」

斉藤『私にはお嬢様の本当の心がわからない。だから、お嬢様の言葉をそのままにかなえるしかなかった。傷心のお嬢様を癒す術を知らなかった。だから、あなた達に会いたくないというお嬢様の言葉をそのままに受け取りました。しかし、それは間違いだったと気付いたのです。今ならわかります。お嬢様には皆様が必要です』

唯「おじさん……」

斉藤『心と心は通じ合いません。私が良かれと思ってしたことが、お嬢様の傷を深めてしまうかもしれない。そう考えると、私は前に進むことができなくなったのです。これではお嬢様の執事失格です。時に、主人の言葉すら乗り越えたその先に主人の幸せを見つけることも、執事の役目であるというのに』

澪「じゃ、じゃあ」

斉藤『どうぞお入りください。お嬢様は私が説得いたします』


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