154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/13(水) 04:26:17.16 ID:HulktAtno
エージェントE「もちろん。世界を守るための最重要任務。『最終兵器』であるエージェントZが表舞台に出てくるのも必然とはいえませんか?」
タックマン「何を、企んでいる」
エージェントE「いいでしょう。今は違いますが、あなたは仲間です。下手に争うことになるのも面倒ですしね。ナイトストーカーはあくまで世界のバランスを保つことを目的としている。私がこんなテロリストまがいの行為を働いているのも、正当な理由あってのことですよ。全てを、とは言いませんが、あなたには少しだけ教えておいてあげましょう」
エージェントEは細い手足を大げさに振り、芝居がかった口調でタックマンに突きつけていた銃を降ろした。
エージェントE「発電所を破壊したのは、ある人物を救助するためです。人道的な行動だと思いませんか?」
タックマン「ある人物とは?」
エージェントE「あなたも知っている人ですよ。大切な恩師。名は、山中さわ子」
タックマン「さわ子先生が!? いや、救助とは……」
エージェントE「拘束されているのですよ。彼女はとある理由で非人道的な扱いを受けています。我々は彼女を解放するためにここに来た」
タックマン「どういうことだ」
エージェントE「勘が鈍ったんじゃないですか? 強制収容所、変異種。あなたがタックマンとして戦った中で直面したキーワードだったはずです」
エージェントEは潜入工作を得意としているだけに、下調べは入念に行う。
この街と、タックマンの情報はすでに手中に収めているようだ。
タックマン「山中さわ子が変異種となり、強制収容所に監禁されているというのか。しかし強制収容所はすでに廃止されたはず。監視衛星からもそれらしい施設は」
エージェントE「甘いですね。人は自らと違うものを排除し、団結を固める。強制収容所は人間にとって必要なものです。廃止されるはずがありませんよ。今でもまだ続いています」
タックマン「地下か」
エージェントE「その通り。やれば出来るじゃないですか。それでこそ最も優秀とうたわれたエージェント」
タックマン「茶化すな。発電所を襲った目的もそのためか」
エージェントE「収容所は非常に非人道的な防御システムで守られています。いえ、守る気がそもそも無いと考えて良いでしょう。システムは非常にシンプルですがやぶりにくい。そう、全てが電力で自動化されており、人の出入りが起こった瞬間に核爆弾施設全てが吹き飛ぶようになっています。この街ごと、ね」
タックマン「核だと……? 一人の人間に何故それほどのことを。そもそも収容所に人の出入りが無いと言うのは……」
エージェントE「不可解でしょうね。しかしこういうのはどうでしょう。山中さわ子は世界を左右するほどの力を持っている」
タックマン「クラス5か!」
エージェントE「その通り。この国はクラス5を秘匿し、世界のパワーバランスを乱している。だから我々の介入が必要となった」
タックマン「山中さわ子を脱出させ、なにをするつもりだ」
エージェントE「あなたも長官の性格は知っているでしょう。『人間は自らの生き方を選択しなければならない』」
タックマン「自由にしようというのか。だが、そんな力を持ってしまえばなにもかもが思い通りにはいかない。力には、責任が伴う」
エージェントE「もちろん、なにもかも思い通りにことは運びませんよ。だけど、彼女は選ばなくてはならない。選択のその先に何があるか、それはまだ誰にもわかりませんが」
タックマン「信じて、良いのか」
エージェントE「少なくとも、ここまでに嘘はないと誓って言えます。あなたとは仲間でしたからね、情もあります」
タックマン「……」
エージェントE「そして、仲間として聞いてくださいますか? あなたはこの件に一切関わらないで欲しいんです。話がややこしくなりますからね。発電所を襲い、違法とはいえ国有の施設である収容所を襲うなどというのは正義の味方であるタックマンが関わることではありませんよ」
タックマン「……良いだろう。今は信用してやる。だが、ナイトストーカーと言えども一線を越えれば私の敵となる」
エージェントE「わかっていますよ。あなたの恐ろしさはよく知っています。あなたは暗闇から、我々を監視する。それでかまいません」
エージェントEは狡猾な笑みを浮かべた。
タックマン(信用できるか……? こいつを、ナイトストーカーを)
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