225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/08/26(金) 18:08:19.77 ID:EF8IawbQo
エージェントE「おやおや、お困りのようで」
ワイズマン「……お前、以前から俺につきまとっているな。なんの用だ」
エージェントE「気付いていたんですか。いやはや、さすがですねぇ」
ワイズマン「用が無いなら俺は行くぞ」
エージェントE「いえいえ、ありますよちゃんと。タックマンのことが気になっているんでしょう」
ワイズマン「何……」
エージェントE「あなたは善悪はバランスだと考えている。殺せば殺される。そんなシンプルな秩序こそが人間が本当に必要とするものだと」
ワイズマン「それがどうした」
エージェントE「では、あなた自身はどうです。あなたは何になりたいのですか?」
ワイズマン「……俺自身が、だと?」
エージェントE「あなたは、ヒーローになりたいんですか」
ワイズマン「……ヒーロー? 俺が? ふざけているのか、お前」
エージェントE「ふざけてなどいませんよ。いたって真面目です。真面目も真面目、大真面目ですよ」
エージェントEはけらけらと笑った。
ワイズマン「カンに障る」
エージェントE「それは失礼。では本題です。この世界を救ってみませんか?」
ワイズマン「何?」
エージェントE「この街にもうすぐ滅びがやってきます。我々はそれと闘う同志を集めている。あなたは選ばれたんですよ」
ワイズマン「……滅び、とはなんだ」
エージェントE「それはおいおい。今はご挨拶程度とさせていただきます。おそらく、この段階ではいい返事を期待できそうにないですしね」
ワイズマン「待て」
エージェントE「なんですか?」
ワイズマン「この街は……滅びるのか?」
エージェントE「はい。このままでは、いずれ必ず」
ワイズマン「……そうか」
エージェントE「では、失礼」
エージェントEは一瞬で姿を消した。ワイズマンのセンサーにはもちろん引っかかっているが、それでも視覚では捉えられない動きだ。なかなかの実力がある――おそらく、タックマンに匹敵する。
ワイズマン「この街が滅びる」
ワイズマンには、相手が嘘をついているのかわかる。
脳波、心臓の鼓動、発汗量、目の動き、頬の筋肉を思念のセンサーによってスキャンすればたやすいことだ。
そしてエージェントEは嘘をついていない。奴の言っていたことは全て真実だ。
ワイズマン「……」
この街を救えばヒーローになれる。やつが提案したのはそういうことだろう。
ヒーローになればタックマンを超えられると。
ワイズマン(俺が、タックマンに劣等感を抱いているだと……?)
社会に認められる行為、英雄的行為をすることがタックマンに勝つことに繋がる。そういうことなのか?
ワイズマン「……くそっ」
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