過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」<br>
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[saga]
2011/03/23(水) 03:10:40.80 ID:R1TnrZFAO
沈黙が部屋を満たしていく。元々話し声だけの静かな空間だったが、静かと沈黙は似通っているようで少し違う。何かに耽るようにお互いに何も言い出さない。垣根は天井を見上げぼーっとしているし、心理定規は頬に伝わる微かな温もりに酔いしれている。
酔いしれていた。
心理定規「……ねぇ」
垣根「あ?」
心理定規「いつまでこうしていられるのかな」
だからだろう、そんな言葉を口に出してしまったのは。手放したくない温かさ。学園都市の闇に捕らわれたからには手には出来ないはずの温もり。
それをほんの僅かな間でも手にしてしまった心理定規は甘えてしまう。
心理定規「……ごめんなさい」
ダメだダメだ、そう自分に言い聞かす。仰向けになっていた上半身を持ち上げ、温もりから距離を取る。
今の自分達は少年少女ではなく反逆者。その事を忘れるわけにはいかない。
一瞬でも溺れてしまえば、待つのは破滅だ。
心理定規「それで……そう、」
心理定規「アイテムからの追撃がもうないなら身を隠す意味もないんじゃないの?」
思考を切り替える。今ではなく、自分達の今後へと。
垣根「…………」
垣根「……ま、アイテムからの追撃がなくなったからって追っ手が来ない訳じゃねぇ」
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