過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」<br>
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944: ◆v2TDmACLlM[saga]
2011/09/20(火) 04:59:59.74 ID:xWIJga+F0

やたらと人がひしめき合ってる病院の待合場はざわざわと騒がしく、今なら外の方が静かな気がした。

初春「…………」

一際目を引く花飾りを頭に乗せた少女、初春飾利。
は、やはり別の場所へ行こうかとも考えたが、結局はその場所から動く事はしなかった。

どこへ行こうと、現状は何も変わらない。

先ほどから腰掛けている沢山並ぶ長椅子の一つに背を預け、険しい表情でなにかを考える様に天井を見上げる。

初春「…………」

その脳内で高速に構築されているのは、計算式。
例えるならば、それは幻想御手という巨大なモンスターに立ち向かう為の式だ。

小さな少女に備わる莫大な演算能力が、一つの事柄に注がれる。

初春「……っ」

しかし、それは音を立てず瓦解した。

再度、式を構築する。どうすれば倒せるか、どうすれば、

初春「…………」

どうすれば、親友を助けられるか。

初春「……ッ」

また、失敗。

幾度となく初春飾利の試みは無駄に終わる。

初春「…………」

上を向いていた少女は、やがてその表情から覇気が消えうせると同時にうなだれる。
どうしても突破口が見つからなかった。情報が足りなかった。味方がいなかった。

初春「…………」

しかし、少女は諦めない。歯を噛み締め、再度頭の中で構築する。どうすれば、どうすれば、と。

そう、心の中で唱えて。

初春「…………」

また、失敗。

初春「……ッ」

結局は低能力者に過ぎない自分がこの事件を解決する為に出来る事。
それは考える事だった。情報処理で培った巨大な演算能力を駆使し、
一つ一つの情報を繋ぎ合わせ、解を導く。

しかし、どうしても辿り着けない。



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