過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」<br>
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◆v2TDmACLlM
[saga]
2011/09/20(火) 05:08:34.41 ID:xWIJga+F0
――――――――――
初春「……佐天さん」
白を基調としたその部屋で、場違いな程に色の鮮やかな少女がぽつりと呟いた。
側に寄り添い見つめるのは、ベッドに眠り意識の失った親友。
目を覚まさない親友。
今も、苦しんでいる親友。
初春「…………」
そんな少女を見つめるのは、何も出来ない自分だ。
初春「……ッ」
ぎゅうっ、と膝におく手を握る。
ぽつりぽつりと、意識をどこかに逸らすように言葉をかける
初春「佐天さん……今ね、学園都市はすんごく大変なんですよ」
佐天「…………」
初春「大変すぎて、今は佐天さん達の為に動けないって言うんです……」
佐天「…………」
初春「その判断が正しいっていうのは、私にもわかります……けど、おかしいですよね」
佐天「…………」
初春「だから、――」
悲痛なまでの少女の言葉は、ぽつりと浮かんで霧散する。
初春「…………」
どれ程そうしていただろう。数十秒か、はたまた数時間か。
親友が眠り、規則的な機械音しか聞こえてこないその空白の空間は、
少女の中で燻り続けていたそれを決断させる。
その言葉は、どこか優しさが感じられるような声色で
初春「……だから、待っていてください」
少女はにっこり笑ってそう言った。
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