過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」<br>
1- 20
958: ◆v2TDmACLlM[saga]
2011/09/20(火) 05:08:34.41 ID:xWIJga+F0


――――――――――




初春「……佐天さん」

白を基調としたその部屋で、場違いな程に色の鮮やかな少女がぽつりと呟いた。

側に寄り添い見つめるのは、ベッドに眠り意識の失った親友。

目を覚まさない親友。

今も、苦しんでいる親友。

初春「…………」

そんな少女を見つめるのは、何も出来ない自分だ。

初春「……ッ」

ぎゅうっ、と膝におく手を握る。
ぽつりぽつりと、意識をどこかに逸らすように言葉をかける

初春「佐天さん……今ね、学園都市はすんごく大変なんですよ」

佐天「…………」

初春「大変すぎて、今は佐天さん達の為に動けないって言うんです……」

佐天「…………」

初春「その判断が正しいっていうのは、私にもわかります……けど、おかしいですよね」

佐天「…………」

初春「だから、――」

悲痛なまでの少女の言葉は、ぽつりと浮かんで霧散する。

初春「…………」

どれ程そうしていただろう。数十秒か、はたまた数時間か。
親友が眠り、規則的な機械音しか聞こえてこないその空白の空間は、
少女の中で燻り続けていたそれを決断させる。

その言葉は、どこか優しさが感じられるような声色で

初春「……だから、待っていてください」

少女はにっこり笑ってそう言った。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/580.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice