過去ログ - 一方通行「飯も風呂もできてンぞ」番外個体「それじゃあ、あなたで」
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265: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/04/17(日) 01:42:34.06 ID:BAONOHRVo

「オイオイ、経験アリじゃねェか。嘘は感心しねェなァ。にしても不可抗力、ねェ……」


飛行機はそろそろ着陸体勢に入るらしい。
ベルトをするようにと放送が流れ、乗務員が声を掛けて歩いている。


「……どンな気分だった」


機内放送、航空機の稼働音、キャビンアテンダントや前に座る家族連れの声。
様々な音が混沌とする中、妙にはっきりと、独立して。
低く小さく、楽しそうに。それでいて甘く。


「一人でヤッて、どォだった?」

「っ! ぁ、い、嫌なのに、気持ちよくなっちゃって、」


ぞくり。
恥ずかしい質問をされているのに、何故だか身体は嫌悪以外の理由で震えてしまう。
『こんな状況』の時いつもいつも思うのだが、耳元で自分だけにしか聞こえないように囁かれる一方通行の声はまるで麻薬だ。
いとも簡単に番外個体を陥れ、脳髄を溶かされているのではないかという錯覚すら覚えてしまう。
今回も例外ではなく、想いを伝えた夜にあなたが欲しいと請いたように、イかせてほしいと懇願したように、気が付けば自ら口を割ってしまっていた。

墓場まで持って行くつもりで封じ込めていたことだったにも関わらず。


「やらしいな、どォせ『嫌』とかいう背徳感で尚更興奮して感じてたンだろォが。で? イったのか、最後までしっかり言ってみ」


弱った獲物を更に追い詰めるように。
分かりきったことをわざわざ番外個体の口から聞き出そうとするその意地の悪さに、彼女の瞳が潤む。
紅潮した顔は俯く以外に隠しようが無く、溜まった涙が零れてしまいそうになった。



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