過去ログ - 一方通行「飯も風呂もできてンぞ」番外個体「それじゃあ、あなたで」
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◆3vMMlAilaQ
[saga]
2011/04/17(日) 01:56:51.21 ID:BAONOHRVo
「ミサカ、今すっごくどきどきいってるよ。自分から仕掛けたのにね」
「安心しろ、こっちもだ」
「……幸すぎて怖いって、こういうことを言うんだ」
少し前、彼女曰く『吹っ切れた』当初とは明らかに違った雰囲気をまとわせて。
目を閉じ、怯えていた。
「あなたが、この幸せが、ミサカの周りの優しい人達が。消えちゃわないか、時々怖くなる」
バスタブの底で、ぎゅっと一方通行の手を握る。
不安を誤魔化すように、手繰り寄せた手を離すまいと。
「そうなったら、ミサカはもう駄目だ。水族館のイルカが二度と海では暮らせないように、ミサカはきっともう独りでは生きられない」
「……あァ。だからイルカ見ながら変なってたンだな。
つーかそれは、良いことなンじゃねェの。独りで良いなンて思うのは本当に孤独なヤツ、他人の暖かさを知らねェヤツだ」
「ひゃひゃ、何だそりゃ。体験談? ……でも、本当にそうなんだよね。
ミサカは誰かの手をとって、その温もりを知ってしまって。そしたら途端にこのザマだ」
「悪いことじゃねェ」
「……うん」
「それに俺はずっとオマエの傍に居る。オマエが大切したいと思ってるモンも消えたりしねェ」
一方通行がそう言うと、番外個体は握った手に力を込めた。
安心したの意思表示。
握り返してやると、対抗するかのように力を入れてくるのが面白い。
暫くそうやってにぎにぎしあっていたのだが、途中から番外個体の力が抜けて、
「……すぅ」
「……寝やがった……」
気が付けば器用にも、一方通行の肩に頭を預けたまますぅすぅと寝息を立てていた。
それでも尚、手は繋いだままで。
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