過去ログ - 一方通行「俺が一生オマエの面倒見てやる」番外個体「……うん」
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◆jPpg5.obl6
[sage saga]
2011/03/19(土) 19:06:54.90 ID:H8ixk1I90
「……………」
そのまま無言で睨み合う両者。空気に混じっているため肉眼での確認は不可能だが、互いに譲れない
ものがそこには存在していた。
道の往来で腕を結んだまま近距離で見つめ合う二人に殺到する視線は、その殆どが下卑た部類のもの
であって、そこに野次馬的感覚以外のものは存在しない。
今、彼等には目的がある。決して暇を持て余すべく悠々と散歩をしている訳ではない。
だが、くだらない意地の張り合いでそれを忘れているのか、二人の足はそこから約ニ分程進行しなかった。
番外個体が学園都市に帰還してからちょうど一週間が経過した。
番外個体は本来なら他の妹達四人と同様、病院での調整生活を送る予定だったと後で知らされる。
だが、一方通行は咎める気を起こさなかった。
何故なのかは言わぬが華とやら。全ては番外個体本人の頑強な意志の末である。
ロシアで番外個体を引き取った一般家庭夫婦の所へ彼女を迎えに行ったのは妹達の一人だった。
その時の番外個体が世話になった二人へ送った言葉はネットワークを介し、打ち止めへと伝い、余も無く
一方通行の耳にさえ入ってしまっていた。これが彼女の嘘を容認した最大の要素と言える。
ふと、記憶を取り戻した番外個体の脳を去来する新たな記憶。
それは一月という短い間だったが、番外個体にとっては大切な存在である滞在先の夫婦との温かい日々。
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