過去ログ - 一方通行「俺が一生オマエの面倒見てやる」番外個体「……うん」
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◆jPpg5.obl6
[sage saga]
2011/08/16(火) 21:57:47.60 ID:rSukkoHc0
だが、次に外科医から告げられた言葉が束の間の喜びであることを諭してくれた。
『経過を見ないと何とも言えないが、いつ目を覚ましてもおかしくない』
最初はそれを聞いて呑気に安堵したものだ。
早く意識を戻した彼女とお喋りがしたい。あの無関心そうな顔と声で、名前を呼ばれたい。
そんな願望を胸に抱えながら日々を過ごす内に、安心感がじわじわと薄れ始めていった。
『滝壺は……いつになったら目覚めるんですか!?』
我慢しきれず、医者にそう詰め寄るのも無理はなかった。二日、三日過ぎても―――――彼女は目を開けてくれない
のだから。
すぐにでも起きてきそうなほど安らかな寝顔。
浜面もよく知っているいつもの寝顔。
肌の色も点滴のおかげで明るみが戻っている。閉じられた瞼がいつ開いても確かにおかしくはないはずなのに……。
麦野も絹旗も、浜面同様に剣呑な面持ちで医者の答えを待っていた。
そして、浜面は聞かなければまだ楽だったのかもしれないと後悔した。
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