過去ログ - 仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」
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◆/Pbzx9FKd2
2011/03/24(木) 22:26:54.95 ID:VzXfE/Lt0
第二に、彼らはガイアメモリという「地球の記憶」と呼ばれる、
事象・現象を再現するデータプログラムを収納させたメモリを使うことによって超人的な力を得ることが出来る、ということ。
つまり彼らは、ガイアメモリ研究の為に、魔法少女の力の要であるソウルジェムやグリーフシードを集めにやってきたらしい。
もっとも、このガイアメモリ、極めて特殊なもので適正者はほとんど居らず、
使用者の全てといっていいほどその強大な力によって精神を破壊されてしまう。
そういった意味では、左翔太郎は限定された適合者なのだろう。
なんというか、ほとんど理解できない世界だ。
私も魔法少女の力を知らなければ、こんなことは絶対に理解できなかったと思う。
今考えれば、知らないことがどれだけしあわせだったのだろう。
「これで知っていることは全て?」
「は、はぁい」
「そう、もうこちらに用はないわ」
立ち上がってグロックを構える。精薄者のように呆けた男の間抜け面を眺めながらトリガーを二回引くと、
9mmパラベラム弾が軽やかに発射。弾着。至極上手に両膝を撃ち抜くことに成功した。
絶叫と嗚咽を上げながらのたうつ男を尻目に、左翔太郎の傍らに移動する。
彼は、何の見返りも無く私を助けた。
それなのに自分は今、恩を仇で返そうとしている。
知らず、唇を噛み締める。鉄錆に似た血の匂いが口腔いっぱいに溢れた。
まどかのため。
まどかのため。
まどかのためなんだ。
呟くようにいい聞かせる。
この言葉こそが魔法の呪文。
彼のようなイレギュラーがいれば、財団Xのような輩が集まって来ないとも限らない。
銃把を持つ指先が、カタカタと震える。
命まで奪う必要は無い。
それにもう、とうに超えてしまったのだから。
引き返すことは出来ない。
……そもそもこんなことを迷っている時点でもはや自分は人間の範疇に入らないだろう。
銃口が定まらない。調査だかなんだか知らないが、これ以上引っ掻き回されるのはもうたくさん。
もうたくさん。
何もかも。
大きく深呼吸をする。
引き金を絞る。
軽やかな音が、たんとひとつ鳴った。
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