過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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14: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:36:39.60 ID:2i3mHfds0
 003.

「寝るぞ、兄ちゃん!」
「お兄ちゃん、寝るよ!」
「勝手に寝てろよ」

 僕は受験生であり、そしてそれをちゃんと自覚していて、だからもちろんこの日も、当然のように勉強に勤しんでいた。
朝起きて、夜寝るまで、そのほとんどの時間をそこに費やす程に、全力で。
ライオン以上におはようからおやすみまで、みつめているのである。
もちろん暮らしじゃなくて参考書とか問題集をだ。
まあ受験勉強が全てではないにしろ、今この時期においては、そこに心血を注ぐくらいじゃないと、それこそ個人教師をしてくれている羽川や戦場ヶ原に申し訳が立たない。

 だからこそ、邪魔が入らない限りにおいては、一途に、遮二無二、勉強三昧だったのだ。
そんな決意もしかし、その邪魔が入った途端に四散してしまうのが、心から残念でならない。
もっともこの場合、入ったのは、邪魔というよりも、愛すべき僕の妹達であるところの火憐と月火なのだが。
何だか、残念な感じは、より増した気がする。
五臓六腑に沁み渡る程に無念な話だ。
成長の為に七難八苦を求めた偉人が戦国時代にいたそうだが、僕はそんなことを求めちゃいないのに。
もしも僕が、受験という名の戦いに敗れた場合、その責任は九分九厘こいつらにあると言い切ってもいい。



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