過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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16: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:41:27.23 ID:2i3mHfds0
「つーか、何度も言ってるけど、いい加減、僕の部屋の扉を蹴り開けるのは止めろ」

 毎日のように訪れる理不尽な妹達の暴虐に、文句一つ言わず耐え忍んできてくれている僕の部屋の扉には、本当に頭が下がる思いだが、物事には限度がある。
もちろん、この扉がいきなりキレて喋り始めるというような、ギャグ漫画的展開になったというわけではないから、その点は安心して欲しい。
そうではなくて、本当に単純な話、扉の耐久度が物理的な限界にきているということなのだ。
なので、この点だけは大いに心配して欲しい。

 何しろ最近、扉の蝶番が、火憐とデッドヒートする勢いで馬鹿になってきていて、それはもう何時ばらばらになってもおかしくはない、という状況にまで達していたのだ。
それでもなお、軋みを上げつつも、叫びは上げずに、僕のプライバシーを守ろうと健気に頑張ってくれているその姿には、正直涙を禁じ得ない。
けれど現状、二人はそんな扉の涙ぐましい努力に配慮する気も、正視に耐えない現状に思慮を働かせる気もないらしい。
実に浅慮極まりない妹達である。

「いいじゃない、別に減るもんじゃなし」
「減ってる」

 主に扉の寿命が。
ちゃんと人の話を聞けよ。

「いいじゃない、別に増えるもんじゃなし」
「増えてる」

 主に僕の心労が。
だからちゃんと人の話を聞けよ。



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