過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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199: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:20:06.60 ID:QNTrEY900
 今まで聞いたことが無いくらいに優しい声。
こんな状況下でも、自分こそが窮地に陥っていたにも関わらず、それでも月火は、僕の身を案じていたのだ。
そしてきっとそれは、その言葉通り、月火だけのものではないのだろう。

 改めて身が、心が、締めつけられるような気分だった。
以下略



200: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:25:50.13 ID:QNTrEY900
 017.

 後日談というか、今回のオチ。
翌日、いつものように二人の妹、火憐と月火に叩き起こされる……ということには、残念ながらならなかった。
何が問題かといって、またしても僕の体調が問題だったのだが。
以下略



201: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:29:25.62 ID:QNTrEY900
 まあ要するに、妹達が寝てる僕の横で番をしてやがるのだ。
今日が休みであることが幸いし、あるいは災いした形である。
一体何なんだ、このマッチポンプは。
そして今、僕の横に堂々と陣取っているのは火憐。
どうやら時間を区切って、交代で見張るつもりらしい。
以下略



202: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:32:37.59 ID:QNTrEY900
「で、兄ちゃん、風邪の具合はどうなんだ?」
「んー、やっぱまだ大分しんどい。熱が高いのが自分でよく分かるよ」
「あー、確かに熱高いな」

 ぎしっとベッドを軋ませて、身を乗り出した火憐が、僕の額に手をやってくる。
以下略



203: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:35:33.98 ID:QNTrEY900
 蜂の騒ぎの時のことを、きっと火憐は言っているのだろう。
今の状況は、確かにあの時の、全くもって逆の立場になってしまっているわけだから、それを思い出すのも当然かもしれない。

「あの時は、あたしが迷惑かけたんだし」
「気にするな、忘れずに覚えておいてくれれば、それでいいんだ」
以下略



204: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:39:03.44 ID:QNTrEY900
 凛とした顔つきで。爛々と輝く目つきで。
ベッドに臥している僕を見下ろす火憐。
いつも以上の高高度からのそれは、やはりいつも以上に恐怖を掻き立てる。

「おいおい誤解すんなって。別にあたしは、怒ってるわけでも恨んでるわけでもないんだぞ」
以下略



205: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:42:18.84 ID:QNTrEY900
 両手で僕の顔をしっかりと固定した火憐は。
いい笑顔で目を閉じた僕の妹は。
あろうことか。
全力全開、一切の迷いも躊躇もなく。
自身の唇を、僕のそれに勢いよくくっつけた。
以下略



206: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:48:35.75 ID:QNTrEY900
 そんな馬鹿な思考で目を白黒させていたけれど。
その最中も、火憐の舌が、僕の口内を縦横無尽に暴れ回る。
うぞうぞで。
うにょうにょで。
ぐちゃぐちゃで。
以下略



207: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:52:58.31 ID:QNTrEY900
「そこはほら、あたしって兄貴ラブなキャラで売ってるわけだし」
「その設定まだ生きてたのかよ……」
「何だよ兄ちゃん、気持ち良くなかったのか?」
「ノーコメントだ」
「あたしは気持ち良かったぞ、結構」
以下略



208: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:56:01.00 ID:QNTrEY900
「何やってんの?」

 と、そこで。よりにもよって、このタイミングで。
阿良々木月火のご登場である。
既に物語は最終章なのだが、僕の人生までそうなってしまうのだろうか。
以下略



209: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/30(水) 00:59:23.92 ID:QNTrEY900
「どうせ目を離したら、また逃げるに決まってるからね。火憐ちゃん、ちゃんと見張っててよ」
「任せとけ!」
「任せんな! ていうか月火ちゃんも、見てたんなら止めろよ! 只事じゃねえぞ、これ!」
「ところで『只事』と『兄貴』って、漢字で書いたらそっくりだよね」
「目のつけどころはいいけど、そんなことで僕の話を逸らすんじゃない!」
以下略



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