過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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60: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:00:20.00 ID:4YOMgSaY0
 子供向けのアニメでそこまで考えるのもどうかと思わなくはないけれど。
でも、言いたいことは分かる。
人を助けるということをテーマに据えているのならば、確かにこれは無視してはいけないことなのかもしれない。

「遭難してる人とかがいれば、飲食物が必要になるだろうことは知識から理解してるはずなのに。自分の顔がなくなれば戦えなくなるだろうことは、経験から理解してるはずなのに。どうしてこの二つを繋げて考えないのでしょうか?」
以下略



61: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:05:18.14 ID:4YOMgSaY0
 少しだけ真剣な目をする八九寺。
視線の先には、他ならぬこの僕。

「人を助けるのなら、まず自分の身の安全を確保している――少なくとも、その為の最善の努力をしている事が大前提です。大げさに言えば、人を助けるというのは、その人の人生への干渉になるのですから、禍根を残すのは論外でしょう」

以下略



62: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:10:12.72 ID:4YOMgSaY0
 その意思が彼女には確かにあったのだと、僕は今でも確信しているし、そしてその認識は正しいのだと思う。
だけど、僕が思い至ったのは、ここまで。
それ以上に八九寺が言いたかったこと、伝えたかったこと、理解して欲しかっただろうことについては。
その時、僕は気付きもしなかったし、思いもしなかったし、もちろん理解もしていなかった。

以下略



63: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:15:05.30 ID:4YOMgSaY0
 007.

「おお! 新しいポンデリングが出ておるではないか。うむうむ、広告通りじゃな。これは全て堪能せねば収まらぬ。であろう、お前様よ」
「……ああ、好きにしてくれ」

以下略



64: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:20:40.84 ID:4YOMgSaY0
 もうトレイ山盛りじゃねえか。
止めなかったらどれだけ積むつもりだったんだ、こいつ。
正直、ほくほく顔の忍に文句の一つも言ってやりたいのは山々なのだが、折角直った機嫌をまた悪くする必要なんてないし、変にへそを曲げられても後々困ることになるだろうから、ここはもう何も言わないことにする。
英世さん二人がいなくなった程度で済んで良かったと、まあ前向きに捉えておこう。
受験前の高校生には、些か痛い出費ではあるけれど。
以下略



65: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:26:02.62 ID:4YOMgSaY0
 少しだけ真面目な表情で。
少しだけ鋭い視線で。
対する僕は、そんな忍の鼻の頭にトッピングされたホイップクリームが気になって、そのムードに乗れなかったのだけれど。
うん、実に惜しいな、却って間抜けだわ、そんな真剣な表情されても。

以下略



66: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:30:17.81 ID:4YOMgSaY0
 というか、忍は六百歳近いわけで。
その年相応って何だろうな――こう、大釜で毒々しい草を煮詰めながら、ひぇっひぇっひぇ、とか笑ってるイメージ?
いやあ、無いわ、これは。

「失礼な想像をされておる気がするんじゃが」
以下略



67: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:35:36.80 ID:4YOMgSaY0
 浅はかじゃのう、と肩を竦めつつ言う忍。
どうでもいいが、いやよくないが、僕の有り金の半分近くを食い散らかしておいて、どの面下げてそんな態度を取っているのだろうか。

「ふん、儂をそんな食欲だけの女と判断されては困る」
「少なくともここ数時間のやり取りでは、それ以外に考えるのは中々難しいぞ」
以下略



68: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:40:42.35 ID:4YOMgSaY0
 少し趣は違うけど、まあここからは忍のターンということなんだろう。
いいさ、付き合ってやるよ、ここまできたら。
幸い、周りに人はいないし、誰かに邪魔されることもないだろうし。

「ふむ、つい先日の妹御達の一件があってより、一度は聞いておこうと思うておったが。お前様よ、これからどうするつもりじゃ?」
以下略



69: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:45:25.49 ID:4YOMgSaY0
「今のこの時期にこそ、考えるべきではないか? お前様の先行きであれば」
「うん、そうだな」
「進むべき路と書いて進路とはよう言うたものじゃ。ことにお前様の場合は、選んだ道次第で、近しい者全ての道行に影響を与えることもあるからの」
「……」

以下略



70: ◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:50:04.06 ID:4YOMgSaY0
 風邪を引くこともできる僕だけど、戦場ヶ原達と同じように年を積むことができるのか、あるべき形で老いを重ねることができるのか。
腕を切られても再生する僕の不死性がもし露見するようなことがあった時、それでも社会は僕を容認してくれるのか。
社会だけでなく、身近な人、親類、縁者、友人、仲間、味方、他人――そのいずれもが、僕の存在を、果たして許してくれるのだろうか。

 そしてもし――もし、それが叶わなかった場合、僕はどうするのか?
以下略



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