過去ログ - 【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
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7: ◆NAZC84MvIo[sage]
2011/03/20(日) 22:41:45.73 ID:9EuWkLzF0
「えーと、牛乳と豆腐と・・・あ、麦茶もだな」
俺は今近所のスーパーで買い物をしている。
何故なら今日の食事当番である妻からメールで頼まれたからだ。

本文:豆腐と牛乳が切れてるんだけど、どういうこと?

どういうことなんだろうねー、はっはっはー

こんなメールが来たら買い物してから帰る以外に選択肢は無いだろ?
ちょっと尊大な態度も眉目秀麗でスタイル抜群の若妻なら許せるだろ?
料理はまだまだ俺の方が上手いくらいなのが珠に瑕だが、
頑張り屋の妻のことだ、すぐに上達するだろう。

「ただいまー」
ドアを開けると玄関にはエプロンをつけておたまを持った妻が立っていた。

「遅い!!」
そう言うなりすぐさまスーパーの袋を俺からふんだくる。

「悪かったよ、ちょっと用事があってさ」
「まさか浮気してるんじゃないでしょうね?」
「何でそうなるっ!?」

妻はカバンからはみ出した和菓子の箱を睨みつける。

「それ、田村屋のお菓子じゃん。地味子のところに行ってたんでしょ?」
「ただ買い物しただけだっつーの!大体この時間はアイツは店にいねーよ!!」
「へ〜、詳しいのね」
「そりゃご近所さんで友人だからな、知っててもおかしかねーだろ」
「ふ〜ん、ま、イイケド?
 ご飯はもうすぐ出来るからさっさと着替えておりてきなさいよね!」
「わーったよ」

やれやれ・・・
麻奈実の影が見えるとすぐ不機嫌になるのはどうにかならんもんかね?

「「いただきます」」

夕飯は絶賛するほど美味しいというわけではないが、中々の出来だと言って良いだろう。
最近、料理の本が頻繁に移動しているのは使っている証拠か。

「美味いじゃん」
「当たり前でしょ」

ぐ・・・ここは「ホント?嬉しい!」とか言って笑顔を見せる場面だろ?
マジで結婚しても以前と態度がかわらねーな!

「ご馳走さま、片付けは俺がやっとくわ」
「ほんと?それじゃあたし先にお風呂入るね」
「おう」
「のぞいたらコロすから」
「のぞかねーよ!!!」
「言っとくけど夫婦間でも強姦罪は成立するんだからね」
「だからしねーって!」
「どうだか?アンタシスコンだし」
「もういいからさっさと入って来い!」

桐乃をリビングから追い出して片付けを始める。
今までこんな家事なんてしたことも無かったが、今や家族は俺と桐乃の二人だけだ。
掃除、洗濯、炊事、買出しと二人で手分けして、あるいは協力してやる以外にない。
家事代行のサービスというものもある世の中だが、よく知らない人間を家に上げたくない。
これは桐乃の強い要望でもあった。

「ま、そりゃそうだ」
桐乃には、学校の友人どころか家族にも秘密にしていた「オタク趣味」がある。
ちょっとした弾みで俺の知るところとなり、その後親からも黙認という形になった。
オタクの友達も出来て、以前よりその趣味はオープンになったともいえるが、
やはり秘密にしておきたい気持ちもまだあるだろう。

「そのせいかな・・・」
両親が不慮の事故で唐突にこの世を去った時、親戚の人の世話になる選択肢もあった。
だが桐乃はそれを頑なに拒んだ――俺と結婚するという荒業を用いてまで。
その甲斐があって俺たちは今まで通り「家族」として一緒に暮らす事が出来ている。
それ自体に不満なんて無い。だけど・・・

「いつまでなんだろうな・・・」

独り言が増えたのは寂しいからじゃない。これは悩み事が増えたせいだ―――


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