過去ログ - 番外個体「学校に行ってみたいなぁ……」 冥土帰し「よし任せろパートU」
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420:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:21:29.96 ID:tHhDgr7Jo
番外「……一方通行、寝てるの?」

 返事が返ってくる事はなかった。ミサカは仕方なく、床の缶コーヒーを拾い上げる。どうやら未開封のようだ。
またいつものブラックかと半ば呆れていると、見慣れない文字が薄っすらと視界に入った。

以下略



421:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:26:21.47 ID:tHhDgr7Jo
 読書灯に照らされるコンビニ袋。透けて見える中には、色とりどりの缶が転がっている。ミサカには同じ銘柄には見えない。
その中にはミサカも飲んだ事のある、ミルクたっぷりのコーヒーとは言えない、どちらかと言うとカフェオレに近い銘柄まである。

番外「……何か変だよ。あなたってこんなのに手を出すようになったの?」

以下略



422:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2011/04/15(金) 23:26:42.58 ID:DTpBhRrAO
来てたあああああああ 期待


423:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:28:55.99 ID:tHhDgr7Jo
 廊下からはガチャガチャと、何かが転がっているような音。誰かがルームサービスでも頼んだのだろう。
大した音じゃないが、今この時だけはウザったらしくて仕方が無い。一方通行の態度と合わさり、イライラが少しずつチャージされてゆく。

番外「ミサカがあなたに何かしたの?あなたはミサカのどこが気に入らないの?」

以下略



424:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:34:06.65 ID:tHhDgr7Jo
 ミサカは一方通行が好き。言いたかったその一言が、こんな形で出てくる事になるなんて。
本当は面と向かって言いたかった。でも言えなかった。今の一方通行には――

 涙が止め処なく溢れてくる。音もなく零れ落ちる。どうしてこんなに悲しいの……?

以下略



425:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:43:29.85 ID:tHhDgr7Jo
一方「……黙ってれば何ひとりでナーバスになってンだ」

 背中から声がした。背中のほうからじゃなく、本当に背中から声がした。

 振り向くより早く、ミサカの背中に暖かい感触が……一方通行だ。視界の隅に白髪が映っている。
以下略



426:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:47:06.77 ID:tHhDgr7Jo
 ミサカは空っぽになった両手を一方通行のそれに重なる。固く繋がれた白い両手が緩むのに合わせて、蔦のようにその隙間に指を絡めていく。

番外「それに、そんなに強いと苦しいよ」

 ま、そこまで言う程苦しくはないんだけどね。食べ過ぎたせいで胃に来てるのかもしれないな。
以下略



427:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/15(金) 23:54:44.12 ID:tHhDgr7Jo
 一方通行の身体が傾く。華奢な身体でも、このアンバランスな体勢では負荷は相当なものになる。
重力に従い、一方通行は抱き締めたミサカごとベッドに倒れ込もうとする。顔を振り向くも、一方通行の顔はよく見えない。
明かりは窓側のベッドにある読書灯が1灯付いてるだけ。

番外「おわぁ!?」
以下略



428:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/16(土) 00:10:37.63 ID:CpdVzVIso
 唇に何か軟らかいもの触れる感触。口の中に熱いものが絡み付く感触。二つ目は未体験の領域。

  ――セカンドキス。

 ただ、それも一瞬で、すぐに一方通行の顔は離れ、残ったのは余韻ではなく突然の出来事に対する驚きだけ。
以下略



429:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/04/16(土) 00:25:48.24 ID:CpdVzVIso
 心理定規の言っていた事は本当だった。一方通行もミサカと同じ……迷っていたんだ。
一方通行は過去の過ちから解き放たれてはいない。同じDNAマップから生み出させたというだけで、その矛先はミサカにも向けられていた。
それは誰にも理解できないほど重く苦しいものだっただろう。きっと、全てを救っても死ぬまで悔やみ続けるんだろう。

 叶うものなら、その束縛から助け出してあげたい。だけど、ミサカには何もできない。自分を赦せるのは自分だけ。
以下略



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