過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/07/01(金) 01:38:06.57 ID:8PS7pdgco

 彼らの会話の途中にも、『木馬の船』は攻撃の手を緩めない。
 森林を吹き飛ばし大地を抉り、周囲を破壊の渦に巻き込んでいく。
 不幸中の幸いは、あまりに攻撃が大味すぎて逆にこちらの被害はそう大きくないことか。
 恐らくあれは拠点攻略用の大規模霊装なのだろう、と青年は推測する。
 分厚い城壁も一撃で破りそうなその攻撃力には呆れるばかりだが、対人戦では無駄ばかりが目立つ。

「しかし、このままではまずいですよね」

「まあ、あのまま好き放題させてちゃあ人的被害ゼロってわけにはいかねえだろうな」

 老人は周囲を見やる。
 彼の仲間達も、散開して地面に伏せることで攻撃の直撃は防いでいるようだ。
 そもそも砲身が下に向くようになっていない『木馬の船』からの攻撃は、それである程度凌げる。
 連射速度にしても大したことはなく、照準も甘い。基本的に固定標的狙いなのだろう。

「付け入る隙はあるが……さてどこを狙う?」

「……船底、と呼べそうなところにいくつか魔法陣がありますね」

 青年の言葉に老人が目を凝らして見ると、確かに多数の魔法陣が複雑な紋様を描いていた。
 しかもそれらは刻一刻と形状を変え、まるで生き物のように蠢いている。

「移動補助……いや単純に重心を安定させる為の陣か?」

「恐らくは。あれを崩すことが出来れば、機動力は大幅に削げると思います」

「しかしあんなとこ障害物が多すぎて狙えねえぞ。ここら一帯が更地になるまで待つか?」



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