過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/08/26(金) 22:35:15.48 ID:QED9L2bao

「All's Well That Ends Well――終わり良ければ全て良し――、ね」

「あら、シェイクスピアね」

「……そういえばまたイギリスのウィリアムか」

「?」

 何か妙にウィリアム続きだな、とフィアンマはやや苦い表情になる。
 このままだとそのうち誰かしらウィリアムという名の人物が現れそうだ。

「んー、そうねえ。シィクスピアならば、『アントニーとクレオパトラ』の方が」

「知らん。そもそも俺様が演劇に造詣が深い人間に見えるか」

「"You gods, will give us. Some faults to make us men"って台詞なのだけれど」

 "神は、我々を人間にするために、何らかの欠点を与える"と訳される。
 不完全性こそが人間たる証である、という台詞。

「お前の好みなんて聞いてないんだがな」

「ああ違うのよ、話が逸れたわけじゃなくて。ほら、誰にでも欠点はあるでしょう?」

「――まあ、完璧な人間というものは見たことが無いな」

 かつて妄信していた、自身の絶対的な正義はとうに砕け散った。
 そしてそれを砕いたあの少年だって、ある意味では彼以上に完璧とは言い難い存在のように感じた。
 完全な不完全性、などという妙な言葉が彼の脳内に浮かぶ。

「あのウィリアム=オルウェルだって何か間違いを自覚していたみたいだし。誰だって一度は間違うのよ」

「それがどうした」



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