過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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226:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/08/26(金) 23:10:09.49 ID:QED9L2bao


「――それで、お前はそこで呆けて、また絶望して諦めるつもりか?」

「……え」

 声が聞こえた。
 それを合図にしったかのように、白が、色を拒絶するかのように不自然に白い壁がゆっくりと崩れていく。
 青年の右手側から扇状に広がり、彼を砲撃から守った壁が。
 その術式を、彼は知っている。直接見たことは無いが、人づてに聞いたことがある。

「全次元、切断術式?」

「単次元、だ。所詮"レプリカ"では意識的に術式を行使した上で、正数次元のいずれか一つしか切れないようだ」

 そう言って、赤い髪の男は適当に剣を振るう。
 大雑把な剣筋は一太刀で周囲の『木馬の船』を切り崩し、白い残骸物質と共に雪に沈めた。

「もっとも、高次元を切断すればその残骸物質で三次元上の物質も大抵切断されるわけだが」

 言って、無造作に雪面にその剣を突き立てる。
 刃が無く切っ先も平らな儀礼剣。
 その剣の名前は、ヨーロッパの民ならば誰もが知っている。

「カーテナ、ですか?」

「レプリカだと言っただろう。今の俺様に相応しい出来損ないだよ」

 フィアンマは笑う。
 誰よりも不遜に。何よりも不敵に。




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