過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[sage saga]
2011/08/26(金) 23:19:35.61 ID:QED9L2bao

 その勢いを殺さぬままの跳躍で、青年は『木馬の船』を空中で追い越した。
 そこで体を真後ろにひねって、船首、或いは木馬の首にあたるであろう部分の頂点に刃を突き立てる。
 手首が折れた右腕も無理矢理左手に重ねて、全力でコリシュマルドを振り下ろした。

「ああああああああああッ!!」

 凄まじい音を伴って、木馬の船が切り裂かれてゆく。
 船底まで綺麗に両断して、今度は左手一本で水平にコリシュマルドを振るった。
 その一撃で、『木馬の船』の前面は自重で崩れ落ちる。
 そしてそこに、彼女はいた。

「……一つ、聞いてもいいかな」

「ええ、何かしら?」

「一体どこまで知っていたんだ?」

「神託で分かったのは、貴方が不意打ちで撃たれてしまうこと、それを私が助けに行ったら攫われてしまうところまで」

 だけど、と彼女は一度言葉を区切る。
 そして、はにかむようにして笑った。

「言ってしまえば全部かしら。その先は神託なんて無くても、分かっていたもの」

 遅れて、つられるようにして青年も笑った。
 力の抜けたような笑みをこぼして、一言。

「本当に、君には敵わないよ」





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