過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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(福岡県)
[sage saga]
2011/08/26(金) 23:21:20.26 ID:QED9L2bao
「乳繰り合ってる暇は無いぞ」
いつの間にか青年の後ろに立っていたフィアンマが言った。
無駄に驚いた青年を軽く無視して、フィアンマは周囲を見渡す。
「どうやら、それの重要度はそれなりに高く設定されていたようだ」
青年も慌てて周りを確認すると、辺りに散在していた『木馬の船』が彼らの所へ集まってきていた。
どうやら、連中は意地でも彼女を手に入れたいようだ。
「……カーテナ=レプリカの調子は大丈夫ですか? 正直、僕は彼女一人が精一杯ですが」
「まあ、正直まだ馴染まんな。身体制御術式の方も万全とは言えん」
「とりあえず一端下がりましょう。囲まれていては何かと都合が悪い」
言って、青年はコリシュマルドを鞘に納めた。
そして彼女を片手で担ごうとして――そこで、フィアンマがまだ笑っていることに気付く。
フィアンマは笑ったまま、カーテナをくるくると回す。
「いいや、むしろ一箇所に集まってくれているこの状況は好都合だよ」
「確かに次元切断術式は強力ですが、一撃で全ての霊装を完全に無力化できるほどでは」
「そっちじゃない」
「はい?」
その返事に、青年の思考に一瞬の空白が生まれる。
その瞬間フィアンマは青年の足を払い、彼女もろとも雪の上に転ばせた。
「きゃっ!」
「いだっ! な、何を」
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