過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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(福岡県)
[saga]
2011/04/07(木) 23:16:56.93 ID:dEtouHOE0
違うと思う根拠くらいあるさ、とフィアンマはおもむろに壁を指す。
少年が顔を向けると、そこには『Opila』のルーンが刻まれていた。
フィアンマはそれをコンコン、とノックするように叩く。
「これは刻んだ数だけその力を増す。逆を言えば、少ない数では大した力は無い」
そして無造作に、もう一本の線を追加する。
形を乱されたルーンは力を失い、この場に満ちる違和感が若干和らいだ。
「今ここに刻んだ数程度では、ここの地理に詳しいものを迷わせるほどの効果は無い」
「……それで?」
「即ち、足がつかないよう見知らぬ地で行ったということ。プロのやることじゃないな」
「人を信じる理由には甘すぎると思うけれど」
「不満か?」
それならば、とフィアンマはわずかに笑って。
かつての彼らしくも無く、近頃の彼らしくも無く。
どこか柔らかく、穏やかに笑って言った。
「そういう目をしていた、で構わんか」
「余計に胡散臭くなった」
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