過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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318:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/06/15(金) 22:55:13.67 ID:CypdjJ6do

「良し悪し織り交ざって積み重なってきたもの全てを絶やしたくない。そう言ったよな」

「そう聞いたが」

「だけど、色々ごちゃ混ぜだからって進んで悪しを積むっていうのも、なあ?」

「まあ、それはな」

「貴方の今の在り方を悪しだと言う訳じゃないが、やっぱりそのままじゃあ駄目なんだ」

 何が駄目なのか。
 それを彼は言わなかったし、フィアンマも聞かなかった。
 これだけ言い募ってその核心に触れないということは、自らで感じ取れということなのだろう。

「それは分かったが」

「なんだ?」

「お前は仲間達に真意を隠しているようだが、それでいいのか。奴らはフェアでなくとも勝ちを拾いたいかもしれない」

「ああ……それはいいんだ。ってか俺がイレギュラーというかなんというか」

「?」

「とにかく気にすんな、貴方は貴方のことをやれ」

 連中に話は通しておいたから、とだけ最後に告げて青年は去っていった。
 それを見送ってから、フィアンマは浅く息を吐く。

「そうだな、今までの容易な一本道が続くなんてことは有り得ないか」

 分かりやすい敵がいるからそれに力を振るって叩き伏せればハッピーエンド。
 そんな分かりやすい構図ばかりの世界ではないことは百も承知だ。
 それでも、そんな面倒な世界をもっと知ろうと思った。
 だから彼は今ここにいるのだ。




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