過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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317:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/06/15(金) 22:53:05.85 ID:CypdjJ6do

「話をしてこい」

 目覚めたフィアンマが青年から告げられたのは、つまりはそれだけのことだった。
 朝の刺すような冷気の中、まだ薄暗い時間。
 フィアンマを待っていたのであろう青年は、扉の対面の壁に背を預け緩く腕を組んでいた。

「貴方は俺達に味方すると言ったな」

「言ったが、それが」

「一応一晩考えてみたんだが。結論から言うと、お断りだ」

 フィアンマの目も見ずに、それどころか瞼を下ろしたままで青年は克明に告げた。
 鋭く目を尖らせるフィアンマに対してもまるで目線をやらずに、青年は続ける。

「何で俺らの側に付こうと思った?」

「さして大きな理由など必要無いだろう」

「あるよ。少なくともこちらには、そして確実に向こうにも」

 それは拒絶だった。
 青年は瞼を上げる。半眼でフィアンマを睨みつけながら、口を開く。

「あの戦場での言葉だけで人を分かった気になるってのは、少々乱暴過ぎやしないか」

「俺様の勝手だろう」

「こちら側について戦うなら話は別だろうが」

 フィアンマは青年の言葉の意図を図りかねる。
 敵対するわけでも、勝手に暴走するわけでもない。
 彼の思想に共鳴し、手を貸そうと提案しているのだ。
 だが、それを青年は強く拒む。

「……乱暴な言い方をしたけど、つまり俺はフェアにやりたいんだ」

 青年は軽く息を吐いてやや柔らかく口調を戻した。
 苛々とか遅れてくる性質なんだよ、と言い訳がましくこぼしてから続ける。




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