過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/06/15(金) 22:53:05.85 ID:CypdjJ6do
「話をしてこい」
目覚めたフィアンマが青年から告げられたのは、つまりはそれだけのことだった。
朝の刺すような冷気の中、まだ薄暗い時間。
フィアンマを待っていたのであろう青年は、扉の対面の壁に背を預け緩く腕を組んでいた。
「貴方は俺達に味方すると言ったな」
「言ったが、それが」
「一応一晩考えてみたんだが。結論から言うと、お断りだ」
フィアンマの目も見ずに、それどころか瞼を下ろしたままで青年は克明に告げた。
鋭く目を尖らせるフィアンマに対してもまるで目線をやらずに、青年は続ける。
「何で俺らの側に付こうと思った?」
「さして大きな理由など必要無いだろう」
「あるよ。少なくともこちらには、そして確実に向こうにも」
それは拒絶だった。
青年は瞼を上げる。半眼でフィアンマを睨みつけながら、口を開く。
「あの戦場での言葉だけで人を分かった気になるってのは、少々乱暴過ぎやしないか」
「俺様の勝手だろう」
「こちら側について戦うなら話は別だろうが」
フィアンマは青年の言葉の意図を図りかねる。
敵対するわけでも、勝手に暴走するわけでもない。
彼の思想に共鳴し、手を貸そうと提案しているのだ。
だが、それを青年は強く拒む。
「……乱暴な言い方をしたけど、つまり俺はフェアにやりたいんだ」
青年は軽く息を吐いてやや柔らかく口調を戻した。
苛々とか遅れてくる性質なんだよ、と言い訳がましくこぼしてから続ける。
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