過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/07(木) 23:27:16.23 ID:dEtouHOE0

「俺の後ろ、見えねえのかよ」

 背後に少女を庇ったまま青年が問い、

「私には関係の無いことだろう」

 豚は、ゴミを見るような目で応えた。
 青年の目付きが増して凶悪になるが、豚は気にするそぶりもない。
 やがて、部下が彼らの隠していた金を見つけてきた。

「……これだけか」

「っ、ふざけんじゃねえ! それを返せ!!」

 青年に押さえつけられたままの少年が吼えるも、豚はそちらを見ることすらしない。
 そのまま部下と共に立ち去ろうと、入り口近くにいたフィアンマの前を横切った。
 そこまで来て始めて、これまで傍観していたフィアンマが口を開く。

「今夜の酒代くらいにはなるか?」

 フィアンマの双眸を、濁りきった視線が捕らえる。
 返す彼の目も、底知れぬ暗闇を孕んでいた。

「……はした金だ。『仮に』飲みにでも行けば、すぐに無くなるだろうな」

 笑えるくらいに薄汚く、豚が笑う。
 そのままぞろぞろと、部下と共に肩を揺らして立ち去っていった。
 どこまでも横暴に、どこまでも醜悪に。
 弱者を嘲笑うかのように、大儀そうに踏みにじっていった。





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