過去ログ - 美琴「私が一万人以上殺した、殺人者でも?」
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506:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/06/14(火) 00:36:06.66 ID:bkJDEol4o

「……あの鉄砲玉どもが」

      ホスト                  ゲ ス ト
 その家の主、シェリーが帰った時、そこに押しかけ客たちの姿は無かった。

 お茶でも飲んでいたのか、テーブルの上のポットに僅かな温もりが残っていた事から、二人が出て行ったのはそんなに前では無さそうだ。

                   ガキ
「ったく、これだからせっかちな子供どもは厄介なんだよ……」

 ガリガリとボサボサ頭を掻きながら苛立たしげに吐き捨て、シェリーは考える。
 一通り家を見て回ったが、得られた情報は僅か。美琴に貸していた部屋は整然としており、上条に貸していた部屋と居間は散らかっている。
 居間には上条用に使用していたマグカップが倒れ、中身がテーブルクロスにぶちまけられていた。

 恐らく、美琴は静かに外出し、上条は慌しく外出したのだと思う。

                                  バカ
「順当に考えりゃ、娘っ子がこっそり外出して、気付いた上条が慌てて飛び出した、ってとこかね。やれやれ……」

 たった一日二日の少ないやり取りだけで、シェリーは美琴の本質を大体掴んでいた。
 まっすぐで、単純で、思い立ったらすぐ体が動いてしまう、そんなタイプだ。

 まるで上条の女版みたいな少女だ。
 だからこそ、上条本人もとても放っておけないのだろう。
 とはいえ、こっちからすればその放っておけない輩が二倍に増え、厄介なことこの上ないのだが。

「まあ、なんだかんだで受け入れてる以上、自業自得なんだけどな……」

 厄介ごとの種と分かってて、関わるだけで渦中に放り込まれる相手だと分かってて、それでも放っておけないのは、最早性分というものだろう。
 これでも昔は他人の事など我関せずで通し、碌な交友を持たず孤高と言うか孤独な日々を過ごしていたのだ。
 今だって、大方そのつもりでいるつもりなのだが、どうにも上手くいかない。

 それもこれも、あの、ツンツン頭のクソ馬鹿と関わって以来の事だ。


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