過去ログ - 美琴「私が一万人以上殺した、殺人者でも?」
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534:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/08(金) 00:06:42.90 ID:NpuZOMhNo

「……ッ、……く」

 上条は痛む身体を更に痛めつけながら、それでも何とか立ち上がった。
 そして再び右拳を構える上条を見て、一方通行は深く溜め息を吐いて言った。

「オイオイ、なンだか妙にめンどくせェ相手に絡まれちまったよォだなァ……」

 先程の一撃を食らって立ち上がる事を、感心してか呆れてか、一方通行が嗤う。

 気のせいだろうか、上条にはその笑いがどこか物悲しく、まるで助けを求めているかのようにさえ映った。

(気を散らしてる場合か……馬鹿が)

 生まれた迷いを振り払い、上条は目の前の敵を観察する。

 力の差は圧倒的。
 一歩でも縮めようとした距離は逆に広がってしまった。
 一撃を当てる事も出来ず、相手のたったの一撃であっさりと吹き飛ばされた。
 しかし、それでも上条は笑みを浮かべた。

(上等だ……)

 口の端から滲み出る血を拭いつつ、上条はひたすらに隙を窺う。

(最初っから敵う相手じゃないなんて……分かりきってた事じゃねぇか!)

 追い込まれた獲物は、時に捕食者を噛むと言う。
 上条が野良猫に喰われる鼠なら、その鋭い歯を突き立てればいい。
 上条が猛獣に喰われる牡鹿なら、その角を振りかざせばいい。

 そして、奇しくも上条にはその右手に歯であり角である得物を宿している。

     そ れ
 後は、”幻想殺し”を突き立てる瞬間を見極めるだけだ。


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