過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆NAZC84MvIo
[sage sage]
2011/03/30(水) 11:53:31.82 ID:3FAuO/Vu0
―――――――――――――――――――――――――
「もうすぐ一年だね」
「そうだな〜、あいつらいつまで電話するつもりなんだろう?」
「“あっちのあたし”はなんて言ってたの?」
「『“あたし”にあんまり心配かけな!』だってさ」
「へー、もうそんなに心配してないのにね?」
「桐乃の方はどうなんだよ?“あっちの俺”は何て言ってるんだ?」
「『頼むから桐乃を幸せにしてやれ』ってさ」
「はっ!!今更言われる必要もねーな!」
「えへへ〜、なんかあたし愛されてるね〜///」
「・・・ふん、電話で話をすることしか出来ない奴に負けるかっての」
どうにも奇妙な自分への嫉妬をあらわにしながらこの一年間を振り返る。
平行世界の妹からの奇妙な電話――
その電話に後押しされながら俺はこっちの妹との関係を深めていった。
それはきっと桐乃も同じだろう。
平行世界の俺との電話に何度も励まされ慰めてもらった、と言っていた。
今の俺たち二人の幸せは、電話の向こうの俺たちによって支えられている。
でも、もうきっと大丈夫だ。
この先俺と桐乃が気持ちをすれ違わせて悲しむ事は無いだろう――
「やっぱさ、寂しいんじゃないかな?」
「そうだよな・・・」
俺たちの世界は俺たち二人が無事に一緒に生きている。でも“あいつら”は一人きりなのだ。
何かと俺たちの心配をしてくれる“俺たち”は、
大事にしたい兄や妹を失ってしまっている・・・
「そっちが心配だよ。“あっちのあたし達”にも幸せになってもらわないとさ」
「そうだよな、今度の電話でそう言ってみるか?」
「うん、そうだね。そんでしばらくは電話しないでさ、かかってきても出ないの。
いつまでも“こっち”の心配させてるだけじゃ“あたし達”も前に進めないじゃん」
「そうだな、荒療治だけど“俺たち”なら大丈夫なはずだしな!」
だれか良い相手を見つけてくれればいい。心の底からそう思う。
平行世界の自分たちの幸せと、隣で笑う笑顔の桐乃を守る決意を新たにして、
澄み切った青空を見上げる―――
―――――――――――――――――――――――――
「もういいかな?」
「もういいだろ」
「そうだね、もういいよね」
「じゃ、かけるか」
「うん」
―――――――――――――――――――――――――
prrrrrr・・・・・・・
「お、桐乃からだ」
もはや定番になった“あっちの桐乃”からの電話―
目の前で妹を亡くした悲しみに耐える事が出来たのはこの電話のお陰だ。
ここに居なくても、別の世界で元気にしている桐乃が居る。
その事実だけで俺がどんなに慰められたかわからない。
「はいもしもし」
『あ、兄貴?元気してる?』
「当たり前だろ」
『うん、それはいいんだけどさ・・・』
―――――――――――――――――――――――――
prrrrrr・・・・・・・
「あ、兄貴からだ」
もはや定番になった“あっちの兄貴”からの電話―
あたしの想像力不足で兄貴を失ってしまった罪悪感を拭ってくれたのはこの電話のお陰だ。
あたしが身代わりになった世界の兄貴と、二人とも無事だった世界の兄貴が
『お前が無事ならそれでいい』って言ってくれた。
「はいもしもし」
『よ、桐乃。ちょっといいか?』
「当たり前じゃん」
『はは、それはそうとさ・・・』
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