過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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◆lI.F30NTlM
[sage saga]
2011/04/02(土) 01:06:04.81 ID:i1LYuYF3o
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「目障りな兎もいなくなったことだし……」
黒猫は視線をホールに戻し、他の三人を見渡す。
両手を広げ、その体から黒い魔力の奔流が立ち上らせながら。
「はじめましょうか。楽しい楽しいダンスパーティーを、ねぇ!」
目を見開いた瞬間、体から立ち上る魔力が球体と化し、他の三人を攻め立てた。
その数、実に三十。一つ一つに必殺の威力が込められた魔力球が、十球ずつ降り注ぐ。
初撃を避けるも、魔力球は敵を追尾してくる。だが……。
「くっ!」
黒猫に攻撃を加える者がいた。その重い一撃を防御するため、黒猫は魔力球の制御を放棄し、両手で光の壁を形成する。
先程まで執拗に追ってきた魔力球は、全てあらぬ方向に飛んでいき、爆散した。
「もう。いきなりなんて危ないよ、黒猫さん」
「その危ない攻撃を掻い潜って、私自身を攻めるあなたは、もっと危ないんじゃないかしら」
光の壁を爆発させ、距離を取る黒猫。視線の先には、眼鏡を掛けた地味な少女――――麻奈実が立っていた。
「やはり、あなたが一番手強そうね。ベルフェゴール」
「べ、べるふぇ?何のこと?」
「ここに来てもとぼけるなんて、いい性格をしているわ」
黒猫は体全体に魔力を纏う。腕、足、頭、胴は黒い炎の鎧で覆われ、周囲に黒い刃が浮かんでいた。
遠距離攻撃の術式と、近接攻撃力・防御力アップの術式を同時に展開し、戦闘態勢を取る。
「知ってるのよ。あなたの力の根源のことを」
「……そっか。じゃ、隠すことも無いかな」
麻奈実は目を閉じ、胸の前で両手をパンッと合わせる。
すると、麻奈実周辺の床からコールタールのようなものが現れ、彼女を包み込んだ。
もごもごと蠢き、気色の悪い音を立て、何かを形作っている。
現れたのは、細身で豊満な体躯。腕と首周りは赤いレザーのような衣服と二股の帽子。
胸と股間は紐のようなもので隠され、足には派手なガーターベルト。扇情的だが、露出狂と思われてもおかしくない格好である。
それよりも目を引いたのは、背中から生えた蝙蝠のような翼だ。
『変身』を終えた麻奈実は、ふうっと息を吐き、目を開く。瞳は、血のように紅かった。
「流石は『怠惰』『好色』を司る悪魔、と言ったところかしら。破廉恥極まりない格好ね」
「わたしも、この格好は恥ずかしいんだよ!?ぷんぷん」
「知らないわよ、そんなこと。契約した悪魔のことくらい、事前に調べておきなさいな」
「うう〜」
田村麻奈実。彼女は、他の魔女とは一線を画す存在であった。
多くの魔女が使う『魔術』は、内包する魔力を長大なプロセスを経て形成・行使するものであり、天使や悪魔の力を人間用にダウングレードしたもの。
だが、麻奈実は悪魔を、その中でも高名な存在と契約し、その力を取り込んだ。
故に、詠唱や儀式を伴わずとも強大な力を振るうことが出来るのだ。
麻奈実を相手にすること。それは、悪魔と戦うことを意味する。
「本物の悪魔の力。存分に見せてもらうわ」
「うう〜。やっぱり、戦わないとだめ?」
「くどいわね。そもそもこの場にいるのだから、最初から戦うつもりだったのでしょ?」
「そ、そんなことないよっ!!」
「そう。じゃ、大人しく果てなさい!」
黒き鎧を纏った魔女は、悪魔の力を持つ少女を強襲した。
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