過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
1- 20
273: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/03(日) 18:03:55.74 ID:qUKwgnJSo

無事に両替を済ませると、行員さんに礼を述べてから運転手さんと一緒に銀行を出ようとした。
すると、銀行のいかにもお偉いさんと言った感じの恰幅のいい紳士が俺に近付いて来て、
これまた早口の英語で何か言って来るじゃねえか。
その紳士は満面の笑顔で俺の手を取ると、千切れんばかりに握手をしてから、
一通の封筒を俺の胸元に押し付けた。

「オマエ ソノカタハ コノバンクノ トドリネ」
「……と鳥? なんのこっちゃ?」

受け取った封筒の中には小切手が入っていて、俺は額面を見て驚いた。

「いち、じゅう、ひゃく……一万円? じゃなくて、10,000ドル!?
 10,000ドルって言ったら、日本円に換算して八十数万円じゃねえかっ。
 わけも無くこんなのもらえないって。……えっ、えーと、の、の〜さんきゅう〜ぷり〜ず」

俺は運転手さんに目顔で必死に助けを求めた。
そんな俺の慌てふためき振りを笑いながら見ていた運転手さんは、事の次第を説明してくれた。
俺が顔色一つ変えずに、平然と銀行強盗をやっつけたと。
そのお礼として銀行の頭取が、俺に10,000ドルの小切手をくれたらしい。
運転手さんの説明を聞いて、ようやく俺はさっきの後藤さんがゴトウさんではなくて、
強盗だったことや、持っていた拳銃が沙織の持っているようなモデルガンなんかじゃなくて、
本物の拳銃だったと分かった。

「まっ、マジっすか? 俺、本物の拳銃なんか見たこともねえし……
 てっきりモデルガンなんだと思ってたっすよ」

先程の強盗は通報で駆け付けた警察官によって逮捕され、ちょうど連れて行かれるところだった。
一歩間違えれば、俺は桐乃に一生会えなくなるところだったじゃねえか。
事の真相を知って今更ながら膝が震えて来やがった。
何にしても両替もしてもらったし、こんな物騒な所からは一刻も早く立ち去るのが懸命だ。
俺は運転手さんに通訳してもらって、謝礼金の件は丁重にお断りした。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/717.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice