過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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274: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/03(日) 18:04:34.21 ID:qUKwgnJSo

銀行の頭取にも何とか納得してもらい、俺たちはやっとのことで銀行を後にした。
しかし、一難去ってまた一難とは良く言ったもので、それは運転手さんの叫び声から始まった。

「アイヤー クルマガナイアルヨ!」

どうやら銀行強盗騒ぎの間に、タクシーは駐車違反でレッカー移動されちまったようだ。
路上に残されているチラシのような紙片を見つめながら運転手さんは頭を抱えている。
やっぱ、俺のせい? 俺が銀行強盗になんか構わなけりゃ、いや、それよりも初めっから
日本を出国する時に小額紙幣に両替しとけば……。

「運転手さん……何て言ったらいいのか。……本当に、すんませんっ!」
「オマエ ワルクナイアルヨ ワルイノハ L.A.ノ ケイサツカンアルヨ」

俺は詫びるつもりで駐車違反の反則金とレッカー代を払うと言ったんだけど、
運転手さんは頑として受け取ろうとはしなかった。
それよりも、俺を妹の所まで送って行けなくなったと言って、何度も謝ってくれた。
たまたま乗せた俺のせいで、こんな災難に遭っているってのに……。

「モウシワケナイアル ココカラハ アレニノルヨロシ」

運転手さんが指差したのは、銀行のある通りから2ブロック離れた所に停車していたバスだった。
そのバスに乗れば、先程タクシーで行った桐乃の住んでいる寮の近くまで行けるとのことだ。
俺は何度も運転手さんにお礼を言ってから、そのバスが止まっている通りへと向かって歩き始めた。
きれいに区画されたロサンゼルスの街並みを、まさか徒歩で歩くなんて思いもしなかったよ。
大通りに面した建物はどれも近代的なのに、そんな建物に挟まれた路地を覗くと、
そこには古いレンガ造りのアパートなんかが今も残っている。
ロサンゼルスと言えば映画なんかの影響で近代的な街並みを想像しがちだが、俺が見たそれは、
新しいものと古いものが渾然と同居していて、いつかあやせと行った鎌倉の街並みを想い起こさせた。


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