過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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275: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/03(日) 18:05:15.19 ID:qUKwgnJSo

銀行のあった通りとは違って、バスが停車しているこの通りは東西にずっと石畳が続き、
その真ん中に路面電車の軌道が敷設してあった。
バスに乗るにはこの通りを渡って、反対側に行く必要がある。
俺は歩行者用の信号が青になるのを待った。

「アメリカじゃあ歩行者用の信号って、青と赤が上下反対になってんだな。
 車も左右反対通行だし、日本と違うと分かってても、どうも違和感があんだよな」

信号が変わる間、俺がそんな独り言を言っていると、目の前をゆっくりとした速度で路面電車が
通り過ぎて行った。

「たしかに江ノ電とは大違いだわ。やっぱ、アメリカらしいっちゃ、らしいけどな」

目の前を通り過ぎて行く路面電車を何気なく見やると、最後尾のデッキで幼い女の子が手を振っていた。
辺りを見回しても、その女の子に気付いている人はいないようだった。
と言うことは、あの女の子は俺に手を振ってるってわけか?
俺も女の子に応えるように手を振り返した。
褐色の肌の黒髪の美少女とも言えるその女の子は、俺に気付いた様子で更に大きく手を振り、
続けて俺に向かって何か叫んだ。

「……なんか、様子が変じゃねえか?」

なんて言ってるんだか分かんねえけど、様子が只事じゃねえ。
大体、あんな幼い女の子が一人で路面電車に乗ってるわけがねえだろ。
目の前を通り過ぎる時、何の気なしに見ていただけだからはっきりとは言えねえけど、
あの女の子以外に他の乗客なんていたか?
それに、俺の記憶じゃ運転士がいたのかさえ定かじゃねえ。
俺は気付いた時には、全力で路面電車に向かって駆け出していた。


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